内容説明
妻はレズビアン、夫はホモセクシュアル。英国貴族社会を背景にくり広げられる華やかなロマンスと愛の逃避行。Ｖ．ウルフ『オーランドー』のモデルの情熱の生涯。
目次
第１章 ヴィタ・サックヴィル＝ウェストの手記
第２章 ナイジェル・ニコルスン
第３章 ヴィタ・サックヴィル・ウェストの手記
第４章 ナイジェル・ニコルスン
第５章 ナイジェル・ニコルスン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mana
3
エドワーディアンズの著者の伝記。ヴァージニア・ウルフのオーランドのモデルになった女性。彼女の日記に息子が解説を捕捉して伝記として仕上げている。赤裸々な同性愛とかの話に、出版した時は各所から抗議が殺到したとのこと。エドワーディアンズも面白かったけど、彼女の人生も負けず劣らず面白い。2018/07/22
lorca
1
最初の同性相手であるヴァイオレットとの交流には、何か二人とも憑かれたようなものがあり、相手が異性でも同性でもそれはもうどちらかが止まるまで行き着くしかないのかなぁ、と感じつつ、たまたまヴィタの夫であるハロルドがヴィタへの愛を信頼とおきかえることで、最後まで妻を信じていたところが「ある結婚の肖像」の核となる部分であるような気がした。ハロルドの二人の息子に宛てた手紙にはハロルドという人となりの人格が顕著に現れていて胸が詰まった。また、ヴィタのヴァージニア・ウルフに対する「愛」については、ヴィオレットと違った側2012/07/20
如月睦月
0
章ごとにヴィタの回想録、ヴィタの息子のナイジェルの書いた説明の構成になっている。内容としては夫がいるけど不倫（同性のときもあれば異性のときもある）をした話についていて書いてある。訳者あとがきで初版が発売されたときに次のような手紙が送られてきたそうだ。「豪華なホテルからホテルへ駆け落ちゲームをして、その間その費用は誰が払っていたのか聞いてみたい」本書を読んでまさにこういった批判的な感想を私も抱いた。ヴィタの夫は不倫に寛容なのだが、不倫相手の夫が傷つく。ナイジェルは両親に肯定的なので余計にイライラしてしまう。2014/09/21
