内容説明
賢治の詩篇、短歌、童話などには、数多くの宝石が散りばめられ、いずれも賢治の心象風景を、あざやかに描く重要なモチーフである。本書は賢治の、美しくきらめく宝石の世界へ誘う。
目次
1 石ッコ賢さん
2 宝石商の夢
3 「楢ノ木大学士の野宿」
4 「十力の金剛石」
5 賢治と宝石
本書掲載宝石・貴石・鉱物及び作品名索引
賢治作品中の宝石・貴石の主要例の索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまこ
3
宮沢賢治の化学実験の様子がわかり楽しかった。過冷却の実験から、孔雀に喩え硫酸ナトリウムの再結晶を紹介。また炎色反応から、「あをあをと悩める室にただひとり加里のほのほぞ白み燃えたる」という短歌を引用し、「銀河鉄道の夜」のリチウムの鮮紅色を表現した場面にも言及。引用される原文資料が豊富な宝石や化学グラフィックと反応して、刺激的なくらい眩しかった。2012/11/27
削りくず
0
若い頃の賢治が農民に対してあまり夢を持ってなかったり、田舎(の人間関係)を嫌って都会を気に入っていたりというのがびっくり。作品の雰囲気からは想像もつかなかったけど、意外と普通の若者みたいだ。ちなみに私は、石は大好きだけど化学は大嫌い。でも、この本を読んだら化学にも興味が持てた気がする。孔雀石をじっくり見た事が無かったけど、こんなにサイケデリックだったとは。他の写真も大きくてきれいで楽しかった。2015/07/17
せがわ
0
「宮沢賢治×石」本2冊め。こちらは石だけでなく化学実験や地学のフィールドワークのことなども色々盛り込まれている。1冊めに読んだ方は石の色で章立てられていたけれど、これは賢治の活動の時期とか、石モノの作品をピックアップしてそこに出てくるものを集めたりといった感じ。写真は見開きで、一項目一枚なので全体像だったりアップだったりは色々だけど、印象的なものが多い。2014/02/16
あき
0
よんだ! 昔からなんとなく好きな2人だけど、賢治がアインシュタインの影響受けてたとは知らなかった。石系な2人。 藍銅鉱・オパール・琥珀・スターサファイアが好きだった。 読み終わってみたら1994年の本でびっくり。色褪せないものが存在することを教えてくれる。 今日はさくらももこの命日らしい。2021/08/15