内容説明
朝鮮の伝統的な風俗・情緒への耽溺と、先鋭な近代的芸術家意識に引き裂かれながら、朝鮮文学史上、近代短編小説を確立したとされる金東仁(1900~1951)。その業績は、日本の芥川賞に相当する「東仁賞」として、韓国で今も顕彰される。本書は、彼の初期作品から解放後の李光洙をモデルとした「民族反逆者」まで、生涯にわたる様々な実験的作品を収録した日本初の本格的作品集。
著者等紹介
金東仁[キムドンイン]
1900年平壌に生まれ、1914年から日本に留学し、留学中の1919年に朝鮮最初の文学同人誌『創造』を創刊する。以後、中・短編小説を中心に活発な文学活動を続け、朝鮮近代文学において短編小説の確立者とされるが、1951年朝鮮戦争の最中に死去した
波田野節子[ハタノセツコ]
新潟県立大学教授。専攻は朝鮮近代文学、特に李光洙、金東仁、洪命憙など日本への留学経験のある作家を中心に研究している。また、NHKラジオ放送「まいにちハングル応用編」の執筆・講師も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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