新しい〈世界文学〉シリーズ<br> 生命の樹―あるカリブの家系の物語

新しい〈世界文学〉シリーズ
生命の樹―あるカリブの家系の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 433p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582302325
  • NDC分類 953
  • Cコード C0397

内容説明

パリ生れの黒人女性が、カリブの曾祖父に至る系譜を躍動の歴史に探る。カリブ版「ルーツ」というべき大河クレオール小説。アナイス・ニン賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

79
カリブ海出身の作家マリーズ・コンデを読むのは、これで3冊目。ピカレスク小説(悪漢小説)として、パナマ運河建設従事するためにカリブ海の小さな島をから出た曾祖父アルベール・ルイに始まる一族4代にわたる物語。1代目は、プランテーションの低賃金からアメリカ・ドルを蓄えて帰島し事業を展開する。2代目は黒人中産階級としてグアドループで守銭奴となり、子どもたちはフランスに留学し、アメリカとヨーロッパとアフリカの文化を体現していく。一族を紐解く物語の語り手は4代目の少女ココ。2022/09/03

スミス市松

18
フランス本土やアフリカでの彷徨を経たのち、初めて故郷グアドループを物語の舞台に据えたマリーズ・コンデの「帰郷ノート」である本書は、二十世紀に黒人新興ブルジョワとなったルイ家四代にも及ぶ壮大な物語である。幾つかの人物造形と頑なな〈黒人による混血の否定〉からは〈白人が黒人と交わることの劫罰〉を描いたフォークナーの谺を聞き取ることができ、一族が繰り返す政治的コミットメントの挫折はかつてのネグリチュード運動に対するアンチテーゼともいえる。だが、本書の最大の美点とは複数の〈軽さ〉がもたらす豊かな生命力にあるだろう。2019/04/09

qbmnk

3
カリブ海の島を舞台の中心にしたある一族の4代に渡る物語。ルーツとは何か、植民地と本土の意識、肌の色と社会的階層など重いテーマも扱っているが、全体としては語り手の芯がしっかりしていて明るい。複雑に要素が絡んではいるけれども、結局は家族が繋がりを持って支え合っている逞しさが感じられた。家族から見放されたような状態でも、見知らぬ家族を空想することで支えにしていて、しかもそれが現実的な軋轢とは無縁で美化されているところも興味深い。グローバリズムの明るい一面が見えた気がした。2018/11/18

篠静

2
勢いのある文で思っていたより読みやすかった。あるカリブ海の一族の成功と失敗、歴史。2011/10/26

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