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内容説明
雪ふる夜のまち。かなたの山なみ。これは蕪村の愛した京の東山の景ではなかったか。開けば左右の手の内におさまるこの懐かしい風景は、中国・日本の水墨画の伝統ではとらえきれない何かを持っている。胡粉散らし、濃墨のたらし込みなど、様ざまな技法を駆使して描きだされたこの小宇宙に、晩年の蕪村が注ぎ込もうとしたものは何だったのか。俳諧と絵画の表現法の分かちがたい関係をも探りつつ、一枚の絵に画家の精神の遍歴をよむ。一枚の絵を徹底的に読み解く新しい美術文化史。
目次
序 絵に問ひかける
1 水墨画に見えて水墨画に非ず―様ざまなる手法の混在
2 山水画に見えて山水画に非ず―都会の雪景色
3 東山に見えて実景図に非ず―眼前の実景と表現の工夫
4 題詩「夜色楼台雪万家」―聖と俗のイメージの交錯
5 横物三部作と徂徠学―象徴としての「山」
6 「一所不住」の僧蕪村―法然と東山
7 「妻帯売画」の画人蕪村―親鸞と東山
8 「我も死して碑に辺せむ枯尾花」―終の住処としての東山
9 己が人生の表象―生き方と表現



