出版社内容情報
文字を持たぬ故に謎に包まれたケルト人の精神性や宗教を、数多く残る巨石のモニュメントや美術品、絵画を用いて、その独特な美を放つケルト装飾によって解き明かす試み。
内容説明
独特な美を放つケルト装飾に秘められた謎を解き明かす。
目次
古代宗教
三態一組の女神
英雄の王国
呪術師と宗教儀礼
不思議の旅
キリスト教のヒーローたち
テーマ別
著者等紹介
シャーキー,ジョン[シャーキー,ジョン] [Sharkey,John]
1936年、アイルランド、ダブリン生まれ。詩人、映画作家、展覧会オーガナイザーなどとしての活動のかたわら、古代ケルトの美術と詩の研究に従事。各地の古代遺跡を訪ねてケルト文化の再発見に努めている
鶴岡真弓[ツルオカマユミ]
1952年、茨城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。ダブリン大学トリニティ・カレッジ留学。専攻はケルト文化史・美術文明史。現在、多摩美術大学・芸術人類学研究所所長/芸術学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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evifrei
11
資料集。ストーンヘンジ等が中心になるかと考えていたが、かなり詳しく古代ケルトの風習や伝統を扱った良書。大変興味深く読めた。古代ケルト人は血塗れの儀式と戦いに彩られ、どこか死を楽観的に捉えた民族だったらしい。本書で指摘されている通り、古代ケルト人はあっさりと土着の宗教を棄ててしまった事も手伝って宗教的倫理観などはよく解っていないところもあるようだが、かなり独自の価値観を持っていたようだ。曰く、ケルトの戦士達は生首に特殊な力が宿ると信じており、武勲よりも敵の生首を収集することを目的としていたそうだ。2020/01/19
アルクシ・ガイ
0
ザクッと。キリスト教の取り込み方は神仏習合した日本人に似ている。2014/09/09
aoto
0
情報が細かくていいですね。写真多いのも見やすいです。内容は現実的な解釈を交えつつも、厨二心をくすぐられる点に着陸するので、好みです。史実的とか、じゃなく、厨二心をくすぐる、ここが大事。2013/10/18
彼方
0
前半はテーマに沿った史跡を、後半テーマを設けて並列に展開する感じです。 前半部は文体が固く、一ページに一つの資料、という感じでてスッと入っていかない部分がありましたが、後半部は一つのページに複数の資料を掲載していて、どちらかと言うと、資料が面白い後半の方が楽しめました。 何かと血の気の多く性に明け透けなケルトの歴史は、日本人として近いような遠いような、そんな微妙な距離感を楽しめました。 ドーセットの巨人像は何度見ても、面白いです。2020/08/31