内容説明
聖なる双生児伝説から遺伝学まで、「対なるもの」のイメージとその不可思議な戦略を追跡する二重性の神話学。第四期シリーズ完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
evifrei
10
資料集。双子・分身の各地の伝承を浚いながら、こうした存在により構築された世界像を描き出す。双子というシンボリズムについての『両立可能な対立物』という表現が核心的だ。一方的、分身については分裂した自己像として、1つの像に対立するものとして示される事が多い。伝統的には双子・分身はこの世ならざる世界との接触点と考えられてきたのか、吉兆を告げる存在として把握されてきたり、或いは端的にアフリカの多くの地域において虐殺・追放の対象とされてきたようだ。後半では恋人を魂の分身と捉える、文学作品等でみられる視点が示される。2020/02/23
wakabon
0
ちょっと期待外れ。というか期待過剰だったか。もう少し双生児や二つでひと組を成すイメージについて、なぜ2者でなければならないか掘り下げて欲しかったのだが、神話に起源を求めてそこ止まりだったり、イメージの周辺を撫で回すに留まっていたり、という感じ。こういうのはやはり、美術系アカデミズムの限界なのかな・・・。2013/10/19