内容説明
小津の「心」と「技」を意識し、学び、受け継いだ衣笠貞之助、島津保次郎、黒沢明ら10人の監督たち。その映画作りの極意を描く。
目次
1 若き日の映画監督たち
2 溝口健二、反小津的カメラワーク
3 憧れのエルンスト・ルビッチ
4 五所平之助、もう一人のルビッチ好き
5 小津安二郎のコンティニュイティ
6 清水宏と風物病
7 成瀬巳喜男と「二人の小津」
8 木下恵介と日本のカラー映画
9 アラン・レネの冒険
10 加藤泰と緋牡丹博徒
著者等紹介
貴田庄[キダショウ]
映画評論家、書物史家、工芸作家。1947年、弘前市生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。芸術学専攻。1977~1981年、フランス留学。パリ装飾美術学校修了。専門は映画芸術論、書物美術史
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2024/04/08
marsh
0
小津監督と衣笠貞之助、木下恵介、溝口健二、五所平之助、清水宏、成瀬巳喜男、加藤泰などほぼ同時代の監督との関係性や比較を其々の作品や資料、エピソードから考察していて興味深く読めた。そして最後の小津と黒澤に関する言及では以下の小津の言葉を紹介していて興味深い。「監督のオクターブは持って生まれたものだから、たやすく変えられない。成瀬君や僕などは低い。黒澤君や渋谷君は割合に高い。溝口さんは低いような顔をしながら実は高い。そういうモトになる調子があるんだ」戦前から昭和30年代に活躍した諸監督の理解が進みました。2022/12/30