感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
23
アギア・ソフィア大聖堂のモザイク「祈り(デイシス)」のキリストの顔は、ひときわ神々しいが同時にイコンらしからぬ人間味ある面持ちでもある。しかし、イコノクラスム(聖像破壊運動)という経緯もあり、こうしたビザンティン美術はほとんど残っておらず、残っているものでも本書で紹介されているカッパドキアやミストラといったところのフレスコ画は特に保存状態が悪く、廃墟然としている。研究も発掘もほとんどなされていないものもある一方で、地元の人が遺跡の建築資材を再利用してしまっているところもあるという。2020/09/24
じょあん
1
何が素晴らしいと言って、最後のチチェローネ(案内)以外、図版がオールカラーなのがありがたい。もちろん本物の持つ雰囲気は、筆者が言うようにビザンティン美術が宗教美術で聖堂の全体の中で意味を成している以上、現地に行く必要があるだろうけれど、素晴らしい図版の数々が掲載されており貴重な一冊だと思う。最後のチチェローネの箇所でのビザンティン美術の解説も筆者の主観と思えるところも少なくないが面白く読めた。2021/05/27
司
0
写真が美しい2023/04/12