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内容説明
浮世絵、版本挿絵、仏教版画など絵画世界と文章世界が微妙洒脱にからみあう江戸期の「画・文」を読む。
目次
にせ物語絵『伊勢物語』―近世的享受の一面
浮世絵と謡曲―浮世絵評釈
春信と『和漢朗詠集』―浮世絵評釈
研究ノート『里見八犬伝』と北斎
師宣慕効―延宝三年江戸四座役者付考
西鶴謎絵考
変り涅槃図考
乱咲菊蝶話―『廓中丁子』考
芥川龍之介『地獄変』絵解
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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著者は近松門左衛門研究者で、本作は本業とは違う近世の絵の解釈についての論稿集。全体に江戸時代に流行したパロディものの解説を試みていて面白い。絵入り本の絵と文の相互作用や、絵の構図が当時の読者には熟知されたもののパロディであることの解説を現代人向けに読み解いていて楽しい。江戸時代の洒落っ気や茶目っ気がよく分かる。解釈は人によって違うところもあるだろうが、見方のひとつとして面白い。最終稿は芥川龍之介の「地獄変」創作の元となった可能性のある絵について書いてあって、新たな見方を教えられた。芸術受容の自由を知る本。2018/12/24