内容説明
筆者は、昭和40年頃、大学生になって初めて文通したアメリカの友人から一冊のパルプマガジンをプレゼントされ、その魅力のとりこになった。それから約35年にわたり、少しずつ収集にはげんできたが、ここ数年来パルプマガジン収集のスタイルが劇的に変化した。日本にいてもごく容易に入手できるようになったため、ほどなく研究者やコレクターがわが国でも殖えると思われる。本書はその手引きとなることを目標にする。
目次
知られざるアメリカ大衆小説の源泉
雑誌ビジネス最底辺の爆発
懐かしきヒーローの逆襲
武士のようなカウボーイたちの物語
パルプはジャンルを産む
ヒューゴー・ガーンズバックと科学雑誌
パルプが創ったSF
美女を吊るした男
マニアを刺激する雑誌
市民の敵、『スパイシー』
胡椒とソースの戦争
『ブラック・マスク』シンプルな暴力家たち
『ウィアード・テールズ』興亡記
偏見と差別のアート
女性もまたセクシー雑誌に魅かれた
著者等紹介
荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年、東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、日魯漁業勤務のかたわら幻想文学関係の翻訳に携わる。その後、路上監察学のフィールドワークや、博物学の新たな見直しを試み、古今東西の博物学書の収集をはじめる。同時に、幻想文学をとおして親しんだアメリカの雑誌、パルプマガジンのコレクションも行う。博物学、産業考古学、コンピュータ関係から、風水研究や小説まで、幅広い著述活動で知られる。『帝都物語』(角川書店)、『世界大博物図鑑』『20世紀 雑誌の黄金時代』(ともに平凡社)など、著書・訳書は300冊を超える
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