感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
表題には3つの意図があるようだ。錬金術が科学に代わる手前の16世紀を扱う点、そこにプラトンのアカデメイアの復興を見る点、英国エリザベス朝を舞台とする著作の多い著者がフランスを舞台とした点だ。師プラトンを参照したアリストテレスの学の分類を元にしたキリスト教自由7学科の頂点に立つ音楽は、天界の法則を表す「数と調和」なるピュタゴラス派の思想が潜んでいる。本書は、アリストテレス的中世から近代へ向かう時期、当時数学研究のメッカのフランスで、ピュタゴラス派の末裔かつプラトン主義者アウグスティヌスの復興を音楽に見る。2019/04/16