出版社内容情報
日本彫塑界に大きな足跡を残し、愛猫家でもあった朝倉文夫が共に暮らした猫たちの姿を生き生きととらえた作品群と代表的な彫刻作品を集め、その足跡と創作活動を振り返る作品集。
内容説明
激動の明治から昭和にかけて日本の近代彫刻を牽引した「朝倉文夫」の創作の軌跡を、同郷大分を拠点に活躍する現代作家の視点も交えながら今改めて振り返る、全く新しい「生誕記念特別展」を開催。愛猫家としても知られる朝倉の猫の作品をはじめ、代表作の数々を多数収録。また、時代背景や近代彫刻の世界的な流れなど様々な観点から朝倉の人物像、美術作家としての美学や哲学に迫る「朝倉文夫読本」の決定版。
目次
朝倉文夫に関する幾つかの事柄(朝倉文夫記念館館長 宗像健一)
“墓守”に至る道“墓守”から続く道(朝倉彫塑館主任研究員 戸張泰子)
朝倉の自然観と作品の関係について―“吊された猫”を切り口に(大分県立美術館主任学芸員 梶原麻奈未)
近代彫刻と動物―朝倉文夫の猫の居場所(大分大学教育学部教授 田中修二)
朝倉文夫生誕一四〇周年記念 猫と巡る140年、そして現在(図版)
安部泰輔
ザ・キャビンカンパニー
生誕140周年―明治・大正・昭和、そして、令和の現在からみる朝倉文夫の創作(大分県立美術館学芸企画課長 宇都宮壽)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじ
9
先日、彫刻の森美術館で猫の彫刻に出会い、あまりの素晴らしさに作者の名前をメモして本書をみつけた。彫刻のことはわからないけれど、猫のことならわかる。猫に触れたときの、柔らかい皮膚の下でゆるやかに蠢く筋肉や骨の感触、暖かさが、見ているだけでありありと指先に蘇るような造形。ふとした仕草や、本当に信頼している相手の前でしか見せない動きが再現されていて、作者がいかに猫を愛し愛されていたのかが伝わってくる、彫刻という形を取った「愛猫ノロケ」。機会があれば猫だけでなく氏の他の作品も(本だけでなく直接)見てみたい。2024/02/15
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