出版社内容情報
国立新美術館[コクリツシンビジュツカン]
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兵庫県立美術館[ヒョウゴケンリツビジュツカン]
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内容説明
「もの派」を代表する世界的なアーティスト・李禹煥。60年代の初期作品から、彫刻の概念を変えた“関係項”シリーズ、最新の絵画作品を収録。国立新美術館、兵庫県立美術館での展覧会公式図録。
目次
論考(開かれる無限;パリへの旅 ほか)
図版(1936‐1968初期活動;1969‐1972もの派の起源と展開 ほか)
論考(見ることの身体的場性;李禹煥“風景”(1968年)試論 ほか)
関連年表
資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
108
香川県直島の李禹煥美術館は2010年安藤忠雄が設計した。そこで見た「応答」の白いカンヴァスに青と茶色のアクリルで描いたものが印象に残った。国立新美術館で2022年に開館15周年記念に開かれた個展の作品集。1968年もの派として日本で活動を始め、2000年代から主にヨーロッパで活動を広げ、2022年フランス・アルルで安藤忠雄による李禹煥アルルが開館した。筆触と余白の交歓は、東洋的な絵画空間を形作る。2014年李禹煥ヴェルサイユでのアーチと石も載る。https://www.leeufan-arles.org/2023/03/02
bluelotus
8
★★★☆☆ 国立新美術館で開催されている大回顧展の図録ではあるものの、展示作品の写真が一部、過去の違う展覧会での展示写真でモノクロだったことが非常に残念。李さんの作品にはどこか侘び寂びのようなものを感じていたが、ご本人も『描くことと描かぬことの関係性、作ることと作らないことの関係性』と書かれていて、李さんの作品の独特な余白や余韻にとても納得ができた。ちなみに個人蔵のお名前の一覧に中谷美紀さんがいらっしゃって、どの作品なのか気になってしまった(笑)2022/09/09
Timothy
4
とてもよかった李禹煥展の図録。インスタレーション的な作品は今回の六本木の展示ではなく他所で撮影されたもので、要するに展示場の「再製作」のものと直接の繋がりはなく、アイデアの紹介に留まるものが多い。基本的には展示環境を含む作品空間の唯一性、一回性に価値があると思うが、こうしてかつての屋外展示の様子などを見てしまうと、やはり比較せずにはいられないのも確か。『余白の芸術』が読みたい。2022/10/30