出版社内容情報
「実現しなかった建築」という先鋭的テーマで巡回展を行う展覧会の公式図録。マレーヴィチ、ミース・ファン・デル・ローエなど、未完成建築ゆえの実験性と斬新さを一挙紹介。
内容説明
未来を考えるために。可能性を拡げるもうひとつの建築史。
目次
インポッシブル・アーキテクチャー―批評的オルタナティヴとしての建築
建築の可能性と不可能性のあいだ
コラム(ユートピアの影絵たち―川喜田煉七郎“ウクライナ劇場設計競技案”の舞台機構について;戦前期日本のモダニズム建築運動におけるアンビルト―夢想からリアルへ;前川國男の戦前期のコンペ応募案をめぐって;コンピュータ・グラフィックスとインポッシブル・アーキテクチャー)
エッセイ(ロシア・アヴァンギャルド概観、飛行をめぐって;岸田日出刀、あるいはつくらない建築家;メタボリズムの誕生とアジアへの敷衍;イヴ・クラインの“空気の建築”をめぐって)
著者等紹介
五十嵐太郎[イガラシタロウ]
東北大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
孤独な建築家の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らっそ
11
埼玉県立近代美術館にザハ・ハディッドの新国立競技場を観に行く。安藤忠雄の無責任さが甦ってきて、思い出し怒りを催す。色々な未完成建築の模型を観れて良かった。が、現地の解説は最小限なので図録は必須。会田誠の都庁案と日本橋再建案が、素人の僕には一番面白かった。2019/02/11
ami
3
建築されなかった建築もしくは建築出来ない建築集。タトリンからザハ・ハディドまで。想像力が爆発する。2019/09/13
takakomama
3
2019年2月~3月、地元の埼玉県立近代美術館の企画展の図録。コンペが必要な建築物の影には、落選した案がたくさんありますね。物議をかもした新国立競技場の模型が印象に残っています。ザハ・ハディドの案は実現可能だったそうです。費用や発注者の意向など実現までのハードルは多いです。1900年からの建築、美術、社会一般の年表付。2019/08/14
Kuliyama
2
展覧会を拝見して購入しました。 印象に残ったのはザハさんの国立競技場とヘルシンキ・グッゲンハイム美術館でした。 国立競技場はデザインもユニークですが、建築に向けての設計図(4000枚以上)のバインダーに圧倒されました。 グッゲンハイム美術館はイーガーのような生物的なデザインが強烈で、これが街中に立ち上がったら地元の人はどう思うのか・・と想像しました。2019/03/21
ホンドテン
1
所有、展覧会にも登場する建築家設計の美術館にて。表題通り実現出来なかった建築の総浚えー更に「出来ない」にも様々な階調がある事も教示。国立博物館の前川と東京都庁の磯崎、落選折込の案を提出なんて。前者は選考に当たった岸田の不可能の業績も紹介している。建築家の意図(作家性?)が純粋に発露する場が不可能建築の設計図面上であり、準じてコンペを必要とする大プロジェクトとは納得ー褻の場な住宅、職場などは施主の意向第一だし。序で紹介された先行同趣旨の展覧会群に結構行っていて驚く。タイガー立石の在伊期の業績は新知見。2019/04/30