出版社内容情報
《白石さんって、鉄道好きなの?》
羽ヶ崎理斗から届いた、あまりに端的で直球ストレートすぎるメッセージ。
わたしは、ヘッドライトがパッと消えて視界が暗転するかのような、そんな心地になった。
この世の終わりだ……!
内容説明
白石さんって、鉄道好きなの?羽ヶ崎理斗から届いた、あまりに端的で直球ストレートすぎるメッセージ。わたしは、ヘッドライトがパッと消えて視界が暗転するかのような、そんな心地になった。この世の終わりだ。
著者等紹介
神戸遙真[コウベハルマ]
小説家。『スピンガール!』(メディアワークス文庫)にてデビュー。第5回集英社みらい文庫大賞優秀賞受賞。「恋ポテ」シリーズ(講談社)で第45回日本児童文芸家協会賞受賞。第21回千葉市芸術文化新人賞奨励賞受賞。『笹森くんのスカート』(講談社)で令和5年度児童福祉文化賞受賞。日本YA作家クラブ会員、日本児童文芸家協会正会員
はーみん[ハーミン]
イラストレーター。書籍を中心に幅広いジャンルの作品を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
17
思いっきり好きなことを楽しむ解放感が十二分に伝わってきました。主人公は隠れ電車好き乙女。母の期待もあり、かわいくあるべきと自身を縛ってきた彼女が、クラスメイトの地味男子との交流を通して自分に正直であることの尊さに気づかされます。中1ながら「かわいいだけがとりえの女にはなりたくない」と思い、違う武器を身につけようとする少女が頼もしい!言葉少なで人に無関心そうだった少年が吐いた、短いけどピリリと効くセリフも印象的でした。大人視点では、果たせなかった願いを子供に託す罪深さにドキリ。(対象年齢は11歳以上かな?)2024/08/26
奏
7
周りからも家族からもかわいいと言われ、キャラから外れないように、目立ちすぎないように、本当の自分を隠しながら過ごす中学1年生の菜摘。新聞委員で同じものを好きな羽ケ崎くんと関わっていくことで、少しずつ菜摘が変わっていく姿を描きます。ミツミちゃんと自分を呼ばせ、自分の思いを押し付ける母親。外側から見れば、哀れですらあるのだけれど、当事者になってしまうと気づくのは難しいのか?千葉が舞台で、ローカル情報が満載。2024/10/11
入江大和
5
表紙がおや、これは小湊じゃないか?と手に取り、パラパラ見ると、千葉とか都賀とか西千葉とか五井とか(笑)見慣れた駅名にそれだけで笑ってしまいました。で、もう、主人公の小利口な菜摘ちゃんも、クラスメイトの猫背で小声の羽ケ崎君も、ちょっとガキ大将な大宮君も、もう、可愛くて、可愛くて。思春期の入口にいる中学生の揺れ動く心、教室での駆引き、自立しようとする足掻く気持ちなど、遠い記憶のかなたの私が笑っていました。2025/03/06
かっぱ
5
主人公は女の子なんだけど、むしろこれは男の子が読むべき本な気がした。かわいい女の子というのもめんどくさいポジションなんだという話として。主人公の菜摘はかわいいし、そのことに自覚的。そういう子に何がひびくのか?みたいな。 こんな鉄趣味の女の子なんているわけない、と思うかもしれないけど、実は乗りメインで撮り鉄も、くらいの女の子は意外にいるんだよね。2024/08/08
ごま麦茶
5
千葉を舞台にした、好きなものを好きと周りに正直に言えない中学生のお話。タイトルにも、本文の中にも出てくる「かわいい」。何回書かれてるんだ!?と言うくらい出てきますが、表紙を始め、お話自体可愛くて、ほっこりしました。小中高校生向けのお話ではありますが、大人が読んでも背中を押してもらえる1冊だと思います。周りに合わせた自分がダメって訳では無いけれど、好きなものを好きって正直に言える、自分で選んで進んでいける自分でありたいなぁと、菜摘ちゃんを通して思わせてもらいました!2024/06/16