出版社内容情報
『よだかの星』は、宮沢賢治の初期に書かれた短編作品です。姿が醜いせいで周りから嫌われていた「よだか」という鳥が主人公。弱い者いじめや外見の美醜による差別の否定に加え、権力や食物連鎖など、宮沢賢治が抱えていた問題も描かれています。新進気鋭のイラストレーター・三永ワヲさんの描く物語の世界観にも注目です。
内容説明
文豪×絵師=エモい絵本!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
36
ティーンズコーナーより。宮沢賢治が鳥をメタファーにかいたお話を、繊細な少年のイラストとともに読ませる一冊です。娘もじっと読んでいました。エコトバ、というシリーズだそうで、次も楽しみです。2022/09/07
コニコ@共楽
24
最近は、日本の名作短篇にイラストレーターが絵を付けてあらたな物語として生まれ変わったような本が出ています。ときどき読む「乙女シリーズ」もその代表的なものですが、今回は、エコトバ・シリーズ第1巻目『よだかの星』を読んでみました。物語は宮沢賢治。小学生の時に読んで「どうぞあなたの所へ連れてってください。灼けて死んでもかまいません」と繰り返しお願いする言葉が印象的で覚えています。イラストレーターの三永ワヲさんは、すごい。よだかの鳥を描かないで、孤独で悩める青年を描いて、よだかの気持ちを表現していました。2023/06/02
コウママ
4
図書館YAコーナーに展示されていた。よだかの星が好きなのでエモい絵本ってどんなものか気になった。文章とフィットした男子高校生の絵で、ストーリーの背景が全然違うものに感じる。そしてそれがとても良くてすごく面白いなと思った。このシリーズいいですね。いつか出て欲しいなぁと思う作品がいくつか浮かびます。2022/10/06
kaz
1
宮沢賢治の繊細な筆致と三永ワヲの新しいビジュアルの融合は、読者に新たな視点を提供するものであったが、原作の持つ独特な雰囲気とはやや異なる印象を受けた。図書館の内容紹介は『姿が醜いせいで周りから嫌われていた鳥、よだか。鷹は「早く名前をあらためろ」と言い…。宮沢賢治の名著「よだかの星」と絵師・三永ワヲのコラボレーション。古き良きテキストに寄り添った、まったく新しいイラストーリー』。 2024/11/10
たくさん
1
読むには短いが情景が少し心情がたくさん入ってくる。どういうことがあったかわからないし、どういう状況で自分が悩んでいるのか夜鷹に投影してなんとでも読み取れようのある作品。戦前にはこういう心情の本がたくさんありこの本も美しい。醜いということが劣等感で抜けなくてどうしたらいいのか今の時代にもはっきり言ってあげられることができない課題のようなものはありますね。ともあれ、絵が今どきの悩みを投影していてとてもきれい。アナザーストーリーだけど。2022/12/27