出版社内容情報
4年生のあこは体育が苦手。ママの熱心すぎるサポートも負担だ。そんなとき、ありのままのあこを受け入れてくれるばあばがやってきて――。体育をめぐって自分にむきあい成長していく少女を、ユーモアたっぷりに描いた物語。
内容説明
わたしは体育がきらい。とび箱はとべないし、さかあがりもできない。ママはそんなわたしに、せっせと練習させる。ママはわたしのために、いっしょうけんめい。それはわかっているんだけど…。小学中級から。
著者等紹介
村中李衣[ムラナカリエ]
ノートルダム清心女子大学児童学科教授。絵本の読みあいを続けながら児童文学や絵本の創作に取り組む。日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞などを受賞
長野ヒデ子[ナガノヒデコ]
1941年愛媛県生まれ。絵本や紙芝居の創作。絵本『おかあさんがおかあさんになった日』(産経児童出版文化賞)、“せとうちたいこさん”シリーズ(日本絵本賞)や紙芝居など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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杏子
21
体育や運動が苦手な子にオススメ。私も子どもの頃、体育が苦手で、運動会なんてのはもう……ってな具合。だから、あこちゃんの気持ちわかるわー。熱心すぎるお母さんにも引く。だから、おばあちゃんが来てホッとした。やりすぎはよくないねぇ。ページの下側にある4コママンガのような絵もかわいい。文章を補っていて、ちょうどいい。2021/10/25
うとうと
14
あこは体育が苦手。ママはそんなあこを全力でサポートしてくれちゃう。そんなにがんばらないと、だめ…?/「体育がある」私も子どもの頃は何度も溜息混じりにつぶやいたなぁ。国語や算数のできなさ加減は公表されないのに、体育だけみんなに晒されるのはなんて不公平なんだろうと、あこちゃんと同じように思ってた。ばあばの登場、事件のおかげで、家族もあこちゃんも変わることができてよかった。ばあばの言葉が響く。「じぶんにまけなかったら、それでいい」2022/08/06
柊子
13
息子も体育が苦手だった。かけっこは遅いし、逆上がりは、とうとう出来ずに大人になった。体育会系の私には、正直、歯がゆかった。公園で教えたこともあったけど、全然ダメで(笑)。最後には「逆上がりが出来なくても、別に困らないし、人生に何の影響もないから大丈夫」と、変な励まし方したのを覚えている。かけっこがビリでも、逆上がり出来なくても、大して凹むこともなく、いつも笑っていた息子を逞しいと思ったものだ。この子は親よりずっと強いかも、と。親ばかだね。2025/04/18
ゆにす
11
あこちゃん、わたしもそっくり。跳び箱、鉄棒、マット運動、かけっこ、みんなびりだったけど大人になって困っていることはない。劣等感だけが拭えない。勉強はちゃんとできたのに、全部何もかもできないとダメな子なのかなって泣きそうになった。おばあちゃんが素敵だった。2023/07/10
家主
11
34B 4年生向けの本だが、自分にとっても良い話に感じた。親へのモヤモヤ感がよく伝わる。大怪我をしそうになるシーンは緊迫感もある。この話に登場する母は、他者と比べて娘を評価する癖がある。ばあばは、自分に勝てばそれでいいと言う。両者の対比がよくわかる。娘にとっては毎日他者と比べる思考の母に苦しめられているので、ばあばが来ることが大きな救いとなっている。先生はそんなに悪いようには思えない。題名もいろいろな読み取り方ができそうだ。「体育がある」という題名で、体育が嫌いなのかな、と思わせられるのはなぜだろう。2022/08/19