内容説明
オリオンの上、ポルックス。私の星。北海道北西部の町で家族と暮らす中学一年生の麻由子。吹奏楽部の練習に励む毎日を送っていたが―。美しくも厳しい自然を背景に、少女の心の成長を描いた物語。
著者等紹介
有島希音[アリシマキオン]
北海道増毛町生まれ。28歳で児童文学同人誌「まゆ」同人となり、小笠原洽嘉氏に師事する。現在、「まゆ」代表。初めての単行本に『それでも人のつもりかな』(岩崎書店)。日本児童文学者協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
71
【辛口】中学生が主人公のYAだが、今一つ主題がはっきりとせずだらだらとした印象だった。父と母の不仲。父は家庭を省みない。小さな町では噂がたち、教師からも心ない言葉を投げ掛けられる。どの大人も情けない。苛立ちを押さえようともしない母親も愛人を作る父親も主人公にも共感出来ず読み終わる。中途半端な年頃を描いているとは言え、台詞の一つ一つが上滑りでグッと来るものがなかった。父の愛人の息子=主人公の友人 が思い悩む姿が一番リアリティーがある。家族、仲間、部活、祖母の死などを200ページに盛り込みすぎた?2024/04/15
へくとぱすかる
42
自分の家庭と、クラスメートの家庭をめぐる、中学生だけではどうにもならない大人の事情。単なる青春の悩みをはるかに超える問題をかかえる二年生の麻由子。吹奏楽部顧問の謎めく「サヒメ語」に困りながらも、サヒメ=宮永先生への理解も少しずつ進む。児童文学・YAには、説明的に書かれたものも多いが、婉曲にさりげなく描かれた部分に想像力を働かせて読むと、それが味わいになっていく。どこまでも子どもだけで解決できない問題は消えないけれど、それもリアルだ。三年生になって自分を確立していこうとする麻由子を、読者として励ましたい。2022/10/19
くま美
1
YA本。家庭の問題をストレートに書かず、抽象的に書いてあるが、中学生が想像して読めるかな。。。主人公の麻由子が抱えている家族の事。座礁船の傾きが麻由子の心情を表していいる。ラストの「私は、私・・・」、現実にはなかなかそこまで成長できるだろうか?ススメ方が難しい本。2022/12/13
-
- 和書
- オタク文化とフェミニズム