出版社内容情報
久保田 香里[クボタ カリ]
著・文・その他
内容説明
木立にかけこんだとたん、空が割れたかと思う音がした。「かみなりが落ちた…?」柚麻呂は燃える木を見た。神鳴りは、天から示される神の意志だ。奈良時代末、郡司の子柚麻呂と郷の少年早矢太の出会いから、物語ははじまる。
著者等紹介
久保田香里[クボタカオリ]
作家。岐阜県に生まれる。『青き竜の伝説』で第3回ジュニア冒険小説大賞・大賞受賞(岩崎書店)。『氷石』(くもん出版)で第38回日本児童文芸新人賞を受賞
小林葉子[コバヤシヨウコ]
画家。長野県に生まれる。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業後、印刷会社勤務をへて画家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りー
16
最近読んだ「古代の東国」シリーズでもページを割いていた"神火"のお話。ファンタジーではありません。対蝦夷戦争で重税を課せられた板東では、軍糧を保管する倉庫に度々"神火"が起きたという記録があるそうです。中央の追及を免れるためだと思われると。主人公は2人の少年。郷長の末っ子=柚麻呂と、農民の子=早矢太。取る側と取られる側の2人が心を通わせ、成長していく物語。159頁、児童書の活字という中でも、厚みを感じる内容です。この作家さんの本は4冊目ですが、考証をお話に適切に組み込んでいてハズレ無しです。2020/04/01
izw
6
久保田香里の作品6冊目。奈良時代の坂東を舞台に、郡司の子と郷の子の風変わりな付き合いを描いている。国府から無茶な税の取り立てが要求され、郷の人たちの暴動が起きる。そのとき雷がとどろくが、これを天からの神火と見立てる。現場を知らない中央の役人に対して、郷を守ろうとする郡司はいろいろ工夫しただろうということを考えさせてくれる。2018/11/26
頼ちゃん
5
うーん、どうも柚子麻呂にはいらいらしてしまう。2019/05/31
シュウ
3
郷を守るということが少しずつ分かってきたんだろうな。2024/05/24
だけど松本
1
この子たちの成長をずっと見ていたいという気持ちになった。2023/08/13