内容説明
出雲の王子ナムジは、出雲の国をまとめた英雄スサノオから大刀と弓を授けてもらおうと、母親サシクニの命令で根の谷へやってくる。継承の証である伝説の大刀と弓を授けてもらえば、出雲の国の後継者として認めてもらえる。でも、後継を争う長兄ウカノが兵士を連れて攻めてきた。
著者等紹介
久保田香里[クボタカオリ]
岐阜県に生まれる。『青き竜の伝説』で第3回ジュニア冒険小説大賞・大賞受賞(岩崎書店)。『氷石』(くもん出版)で第38回日本児童文芸新人賞を受賞
小林葉子[コバヤシヨウコ]
長野県に生まれる。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業後、印刷会社勤務をへて画家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マツユキ
15
古事記の有名なお話が元になっていますが、主人公ナムヂの性格だけになではなく、作品全体におっとりとした印象を受けました。それでも、戦は起こるし、あの世は恐ろしいのですが、前向きで、呑気な少年少女が清々しく、楽しい読書になりました。
りー
15
児童書。古事記から題材をとったファンタジー。ナムヂ(大国主)とスセリ、ヒコナ(少名毘古那)の出会いの物語。のんびり屋さんのナムヂが可愛い。天の叢雲の剣も登場。スサノヲのお母さん=ナミ(伊邪那美命)の存在感が凄かった。安彦さんの漫画「ナムヂ」だと、ここらへんの描写がドロドロなのですが、児童書は爽やかで良い(^^;です。2020/06/28
izw
12
久保田香里3作品目。古い時代を描いた作品ばかりだが、この作品は特に古く、出雲の国が勢力を伸ばした頃、スサノオが生きている古事記の世界が舞台で、大国主神とスセリ姫の話が元になった物語。黄泉の国に通ずる黄泉比良坂を下ったり、天叢雲剣が出てきたり、と神話の世界に触れられる。2016/09/23
あかつき号
9
大国主命(ナムジ)と素戔嗚尊をモチーフにしたもの。素戔嗚は、若い時には荒ぶり、晩年は偏屈なイメージを古事記から受けるが、本作では、「正義の」戦いの無意味さに気づき、悩み、隠遁者のように生きている。 対するナムジは、寄稿しながら少しのんびり屋(ぼんぼんだから)だけれど、スセリやヒコナとの関わり、自立の道をみつける。 ナムジたちの前には明るい未来が広がっているが、戦いはなくならない。むしろ彼らの「正義」によって戦い続ける。それが心に残り、溜め息と共に本を置いた。2017/04/09
シュウ
4
実際にこういうことだったのかもと思うと面白い。2024/03/16