内容説明
たよりないことこの上ない、うちの父ちゃん。ある日、ついに大事件が起こる。父ちゃんが会社をクビになったんだ。でも、次に起こったのはもっと大事件だった。なんと父ちゃん、家族にだまってキャンピングカーを買ってきた。まだ再就職先も決まってないのに…。どうするんだよ、父ちゃん!どうなるんだよ、うちの家族は!!
著者等紹介
山口理[ヤマグチサトシ]
東京都に生まれる。教職のかたわら執筆活動を続け、のち著作に専念。日本児童文学者協会会員。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆか
30
面白かった。お父さんに、とてもいらいらし、お姉ちゃんの気持ちが手に取るようにわかりました。弟が、少しずつ自分でやろうと、変化していく姿がよい。お母さんが、もう少し旅にかかわってくれればとも思ったが、お母さんが関わらないことにより、子供ふたりが学べたのかなと思いました。ラストがすごくよかった。お母さんが、もっと手を抜いた方がこのお父さんも育つかもしれません。2015/08/01
イチイ
15
解雇された父親が、摩擦の多い子どもとの関係をやり直そうと夏休みにキャンピングカーで、日本最北端の宗谷岬を目指して旅に出るという児童向けの小説。物語の基本的な設定は魅力的だが、話運びには粗が多くキャラクターの作りも魅力的とは言い難く、家族間の摩擦が苛立ちを誘う。何よりも大きな欠陥は、家族再生の物語と言いつつ、母親ひとりが仕事を理由に家に残るところ。ペットたちのひどい扱いもそうだが、母親は結局物語のために都合よく使われるだけの存在になってしまっている。何が起ころううと置いていかれた母親のことが頭をよぎる。2020/06/19
ぴょこたん
15
頼りない父がリストラされた。長女は中学生で反抗期。主人公は小学生男子で文句は言うが何もしないやつ。母は文句を言わず父のかわりにパートに精を出す。そんな中、父はキャンピングカーで旅することで、家族のつながりを取り戻そうとするのだが…。まあ、はっぴいえんどになるのだろうな、とは思って読んだが、素敵な終わり方だったので満足。あっさり借りられた私の後に予約が急に67人も入ったので何事か?と思ったら、埼玉県の推薦図書になったのね。とすると、私の本を探すネタ元『日本児童文学』は埼玉県と同じということか?野田市スタート2015/07/09
joyjoy
8
姉ちゃんの「えらそうに言われるって、いい気分しないものなのね」という一言。そうなんだよ!家族という甘えから、つい上から口調になって、それが癖になってたかも、と自分を反省。気持ちを行動で表現するって、難しいな。頑張って行動しても伝わらないことも多かったりして。家族なんだから言わなくても分かってよ!ではなく、きちんと言葉で伝える努力も必要だし、キャンピングカーでの旅行みたいに、思い切ったことをしてみるのもありかも。でももしわが夫が父ちゃんみたいに相談なくキャンピングカーを買ってきたら、自分なら激怒だな。。。2022/11/17
しげ
5
キャンピングカーの旅に興味があったので読みました。最初は、けっして楽しい旅ではなく、家族それぞれの持つ短所にイライラすることもありましたが、旅が終わりに近づくにつれて、そんな短所を改めながら、許しながら、協力しあっていくチームになっていく。家族の「はじまりの場所」にたどり着いたときには、じーんとしました。わたしも一緒に長い旅をしてきたような気持ちになりました。2021/08/28