内容説明
菜月のお母さんは小学校の先生。今年からは菜月と同じ学校で教えることになり、菜月はお母さんのことを「玲子先生」と呼ぶことにした。お母さんとおばあちゃんとの三人暮らしだが、お母さんの玲子先生はいつも忙しい。そんなある日、玲子先生のクラスの子のランドセルが傷つけられるという事件が起きた…。
著者等紹介
別司芳子[ベッシヨシコ]
1960年、福井県に生まれる。日本児童文学者協会、全国児童文学同人誌連合会「季節風」会員。「がるつ」「ごんたくれ」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
46
とても良い本でした。小学校の時の担任の先生の良し悪しは、子どもたちの将来にまで影響すると思っているので、玲子先生が担任となってくれた生徒と親は安心ですね。しかし、そんないい先生でも母親としては完璧とはいかないようです。母にかまってほしい、目を向けて欲しいと、良い子でいればと頑張る菜月。いじらしくて涙がとまりません。玲子先生のクラスの子のランドセルに酷いいたずらがされ、クラスが不穏となり、問題児とされていた隼人君が疑われてしまう。この真相があまりに意外で涙がとまらず。子どもの繊細さが哀しくなりました。2020/11/12
頼ちゃん
6
よかった。菜月の心を思うと胸ふさがれるおもいだが、丁寧に書かれていてよかったと思う。山田養蜂場の寄贈本。寄贈されなければ、自分では読もうとしなかった本だと思うので、感謝。2020/11/15
ぷーきん
4
11歳から。26年度埼玉冬休みすいせん図書。とっても力強い作品です!設定に無理があるかな?と思って読み初めましたが、それを飛び越える位の丁寧な物語に、納得させられながら、読まされた感じ。先生と児童の感動物語としても、母娘の物語としても、謎解きミステリーとしても楽しめる噛みごたえのある1冊です。お母さんみたいになりたいって子どもに言って貰えたら、何もかも報われるだろうな。2015/07/19
suiu
2
泣けて泣けて、ティッシュの箱を抱えて読みました。 菜っちゃんの一生懸命、玲子先生の一生懸命、5年2組の一生懸命。 物語だけど、みんなの思いが伝わる時があって本当によかった。2014/08/05
kolion
2
小6の菜月の母親は同じ小学校の5年2組の担任。いつも一生懸命で自信に満ち溢れてる母親を菜月は玲子先生と呼ぶことにする。塾の迎えにくる車の助手席は生徒からの預かったノートや資料がいっぱい。菜月の座る場所はいつも後部座席だ。ある日、玲子先生のクラスで生徒のランドセルが傷つけられるという事件が起こる。母親として、教師として精いっぱいにがんばる玲子先生に途中息苦しさも感じた。だけど、それだけしてきても、伝わらない思いがある。溝に気づいた時、真っ直ぐに見つめる勇気がどれだけもてるだろう。あとがきにも涙が溢れた。2013/12/07