内容説明
ハンナは、目が見えないけれど、いろんなことを空想するのがとくいな女の子。そんなハンナの家に、ロビン先生が下宿にやってきた。ロビン先生は、ハンナがみんなといっしょに学校に行けるよう、手伝ってくれると言ってくれた。ハンナはわくわくしながらはじめて学校へ行ってみたのだけれど…。小学中級から。
著者等紹介
ウィーラン,グロリア[ウィーラン,グロリア]
1923年アメリカ、ミシガン州デトロイト生まれ。詩人、作家。子ども向けの作品を多く発表している。日本では、全米図書賞を受賞した『家なき鳥』(白水社)などが出版されている
中家多惠子[ナカイエタエコ]
福島県生まれ、埼玉県在住。神田外語学院卒業。商社に10年勤務し、通信教育にて翻訳を学ぶ。プラン・ジャパンの翻訳ボランティア活動をして10年以上になる
スギヤマカナヨ[スギヤマカナヨ]
静岡県三島市に生まれる。東京学芸大学初等科美術卒業。『ペンギンの木』(講談社)で講談社出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しおり
19
百年ほど前のアメリカ。目の見えない少女ハンナが学校へ通うにはやはり色々と問題があった。いくら自由の国でも偏見もあるし、学習に使用するための材料はないし。そう、今とは、有るものも無いものが逆。ロビン先生も手探りではなかったか。そうやって、このような問題も前に進んできたのですね。徐々に家族も学校の仲間もハンナに寄り添う過程をこの本を読んだ子供達が理解していけたら 人を思う大人になる手助けの一つとなるでしょう。2024/04/09
ゆるり
5
赤毛のアンと同じくらいの時代みたい。その頃目が見えないという事は、とてもハンディキャップ。でもこの本のハンナは勇気を出します。想像力があって、物語を作る事が得意で、人の話をよく聞けて記憶力もいい。ジャガイモの収穫祭で優勝して、点字の器械が買えるようになります。(お友達の協力!) はじめは母親の庇護下に置かれてたハンナですが、ロビン先生が下宿に来てから、少しづつ意識が変わります。お父さんも、過保護のお母さんも、変わっていきます。もう「かわいそうなハンナ」と呼ぶ人はいません。ハンナは元気に学校へ行きます。2018/02/21
遠い日
4
1887年、秋のこと。目が見えないハンナが、下宿人の新任教師・リディア先生の勧めによって、学校に通うためには、さまざまな困難があった。ハンナがなにもできなくても当然と考える両親に、ハンナにも自立の道があることをじょじょに説いていくリディア先生の助力なくしては実現しなかった。ハンナ自身が学びたいという気持ちに変化してゆくさまは、いきいきと頼もしい。夢と勇気がハンナの心に生まれた証だ。2012/11/24
AYA
3
1880年代後半、当時は障がいを持つ人に対しての考え方が今とは全く違う。ハンナも「かわいそうなハンナ」と呼ばれ、盲目で何も出来ないと決めつけられて生きてきた。でも彼女は一つ一つ着実な勇気を重ねていく。彼女の勇気が読者の元気になる作品。児童文学って深い☺︎2021/11/28
ハチコ
3
「ハンナは目が見えないから、教育を受けさせても何の意味もない。」と言う両親。たった100年ほど前のお話だけど、親ですら、障害のある子に対してはこういう考え方をするのが当たり前だったんだなぁ。しかし、リディア先生のおかげで、ハンナは学校へ行けることになり、家にいるだけでは分からなかった発見、失敗、喜びを重ねて成長し、その姿は周囲の人々をも変えていく。「学ぶ」ことの意味を、教えてくれるような本だった。2013/02/27