内容説明
もういないと思っていたおじいちゃんが、突然アメリカからやってきた。おじいちゃんは気難しくて家の中の雰囲気は最悪に。おじいちゃんには忘れられない、つらい戦争の過去があるようだ。レアはおじいちゃんの過去の秘密を探り出そうとする。フランスのユダヤ人家庭を描いた感動の作品。小学5年生以上。
著者等紹介
ハッサン,ヤエル[ハッサン,ヤエル][Hassan,Ya¨el]
1952年生まれ。ポーランド系ユダヤ人。少女時代をベルギーで過ごし、イスラエルの大学を卒業。その後、家族とともに1984年から1994年までイスラエルで暮らし、再びフランスに戻り現在はパリに住む。大きな交通事故の後、車いすでの生活を余儀なくされ、療養中に小説を書きはじめる。家族と祖先・子孫をテーマにした、歴史・宗教・社会情勢に関わる作品を、数多く出版している
ダニエル遠藤みのり[ダニエルエンドウミノリ]
1967年、鹿児島県指宿市生まれ。鹿児島女子短期大学卒。日本語教師養成の研修後、東京で約半年間外国人に日本語を教える。1989年から1994年までニューカレドニアで、その後1年間はセネガルで暮らす。1995年よりフランス南西部の小さな町に住む
金藤櫂[カネトウカイ]
1954年、山口県宇部市生まれ。東京藝術大学大学院修了。現在、福岡女学院大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けむりの猿c((•ω•))ɔ
1
これから読まれる方には«主な登場人物»のページは読み飛ばす事をオススメします。より楽しくネタバレせず読めるかと。両親以外に身内は居ないと思っていたのに…。パリに住む10歳の少女レアに、お母さんから「アメリカからあなたのおじいちゃんが来るの」と、告げられる。しかし、思い描いてた理想とは違い、おじいちゃんは気難しい人だった。いつも行き先も告げず出かけるおじいちゃんの秘密を、レアは知りたいと思い…。偶然だが、今年に入ってから、ユダヤ人ユダヤ教に関する本を読むのは3冊目。ユダヤの歴史をもっと知りたい。2020/07/08
杏子
1
突然、アメリカからおじいちゃんがやってきて以来、レナの生活は一変した。 けれどおじいちゃんにはある過去があった。そのせいでおじいちゃんは最初、冷たい人のように見えていたんだ…。 この本には、おじいちゃんと孫娘の心の交流を描きながら、同時にかつて現実に起きた、戦争という悲劇が本当に起きたことなんだよ、その爪跡は生き残った人々のなかにくっきりと刻まれているんだよ、ということを教えてくれる。戦争という歴史的事実を忘れずに世代から世代へ、時代から時代へと受け継いでいってほしいと訴えかけている。 2008/11/01
ようこ
0
ユダヤ教の信者の人たちの気持ちや行事などについてわかりやすい。しかしおじいちゃんとレナが心を通わせていく様子が唐突だし、ママやおばあちゃんが戦前のおじいちゃんの思い出に引きずられて生きて来たことに対して寛容だったことが理解できない。2009/09/26
ぱーぷる
0
孫が図書館で本を読んでいる間に手に取った児童書。ユダヤ人のおかれた境遇、ユダヤ人というだけで国を追われ、会う強制収容所に入れられガス室で家畜にように殺された。今も多くの国で、人種の違いだけで迫害されている人たちがいることを児童書で読むことができるのがうれしい。 2023/08/29