感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
173
森番のおじいさんはモミを運んでいる。みんなのクリスマスのために。小さなツリーは、たくさんの温かな家族に囲まれて、ほほえみに輝いていることだろう。今年も長い冬を迎えた大きな森、ずっと昔からここを守ってくれている大きなモミの木。朝も昼も夜も、多くの生きものが集まってくる。どんなに寒くて吹雪いていても葉を落とさずに、私たちを隠れさせてくれるから。穏やかな日には雪がきらめいているから。嵐は過ぎ去ったみたい。いつもありがとう。もうすぐクリスマスだよ。みんなで星に願おう。平穏が訪れますように。笑顔であふれますように。2023/11/25
ちはや@灯れ松明の火
63
もうすぐクリスマス、村へでかける森番のおじいさん。いってらっしゃい。ことりも、りすも、のねずみも、大きなもみの木とおるすばん。さあ、したくをはじめよう。からみついたつるの実は色とりどりのオーナメント、日ざしをあびて星のように光る雪のイルミネーション。つららのふれあう音がかなでるキャロルにあわせてうたおう。荷車に食べものをのせておじいさんがかえってくる。おかえりなさい。さるも、うさぎも、ふくろうも、もみの木の下、みんなでむかえよう。今夜はクリスマスイブ、天からは流れ星のプレゼント。おめでとう、ありがとう。 2015/12/21
たまきら
42
私はキリスト教徒ではないのですが、厳しい冬が死を連想させる中、生命力あふれる大樹に希望を託す気持ちは共感できます。春を待つ気持ちは人も動物も一緒。情緒あふれる美しい一冊です。2024/11/22
greenish 🌿
41
クリスマスがちかづくと森番のおじいさんはもみの木を売りにでかけるけれど、大きなもみの木だけは森に残してあって・・・ ---牧野鈴子さんが描く、アンバー色の森や、花青色の夜の世界が幻想的で温かな気持ちになります。 青や紫の果実やいろんな形の木の実がもみの木の枝に絡みつき、雪が星のように光り、つららが音を奏でる。まるでクリスマスツリーの彩りのようですね。 果実や木の実に集まる小鳥・りす・森の動物も、クリスマスディナーに喜ぶ子どもたちに似ています。 こんな静かな森のクリスマスも素敵です。2013/12/21
p.ntsk
33
森の生き物たちが集う大きなもみの木は天然のクリスマスツリーのよう。そして森番のおじいさんは森のサンタ。独特のタッチで描かれる人里離れた森のクリスマス。静かで平穏な雰囲気が伝わってきます。こんなクリスマスいつまでも続いてほしい。 2023/12/27