内容説明
トンボ玉を作る老女とシャム猫との出合いから、孤独と愛、魂の救済のストーリーをピアニスト・フジコ・ヘミングが描く、大人のための絵本。
著者等紹介
沓沢小波[クツザワサナミ]
1947年、宮城県生れ。幼稚園教諭を経て結婚、二女の母となり、童話や絵本を作るかたわら、長年、古布を使った独創的な作品を発表。フジコ・ヘミングさんの舞台衣装や神父の祭服のデザインを試み、ローマ法王へ“ストラ”を献上する。12年前からコンサートや芝居、講演会などを個人で企画し、ヘミングさんのコンサートを仙台で二度催し、収益金の一部を福祉団体や動物愛護団体に寄付している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
52
挿絵を描いたのがピアニストのフジコ・ヘミングさんなので読んでみました。フジコヘミングさんはお父さんがスウェーデン人の画家、お母さんが日本人のピアニスト。小さいころから絵も上手だったらしい。私にはピアノを弾くフジコさんしか思い浮かばないのですが、上手な味のある絵です。トンボ玉づくりをしているおばあさんと野良猫のノラの心温まるお話です。2014/08/25
アキ
30
文章は沓沢小波さん、絵はフジコ・ヘミング。トンボ玉名人のおばあさんと片目のシャム猫が心を通わせる温かなお話し。フランス語の訳を添えて。フジコとおばあさんが重なってダブります。仙台の古本屋でたまたま見つけた絵本。中にフジコが仙台で震災後に行ったどうぶつチャリティーコンサートのチラシが丁寧に折りたたんであるのを見つけました。この本も印税の一部が動物愛護団体に寄付されるそうです。ねことおばあさんは、せなかに羽をつけ、うっとりした顔で、遠く高く、ゆっくりと昇っていきました。2018/10/12
yumiha
25
蜻蛉玉を作るおばあさんと猫のノラ。やさしく美しいお話。おばあさんのお迎えにノラが来るラストは、私の書いた川柳、山越え阿弥陀の代理ですと猫(ゆみ葉)と同じだった。2018/10/28
gtn
23
人生の終末期においてなお、納得のいくものが生み出せないもどかしさ。しかし、友を得て、正直な自分を取り戻すことにより初めて、生きてきた証を形にすることができた。誰かに縁しなければ、虚しさは埋められない。幸福感は得られない。2020/06/30
ふじ
19
フジコヘミングの絵による絵本。ピアノも弾けて絵もかける。芸術分野の人って多彩な人が多い気がする。あの御年にふさわしい、じんわり「その先」との繋がりを感じられる大人の絵本でした。トンボ玉作りをする主人公。その姿から様々なことが連想できるような。2016/10/03