出版社内容情報
グリム童話でおなじみの伝説を、格調高い詩と繊細な絵でつづった絵本です。1888年初版のものの日本語版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nakanaka
76
有名な作品ですが、改めて読んでみると様々な視点から捉えられる内容だと感じました。笛吹男を人さらいともとれるし、約束を守らなかった街の重役たちを悪者としてとることもできるのかと。果たして本当に子供たちが幸せの国に行けたのかも気になります。いずれにせよ約束を守ることは大切ですね。2019/09/02
yomineko@ヴィタリにゃん
57
ネズミを退治した男に報酬を支払わなかったため、その見返りとして子ども達が笛吹男にフラフラとついて行ってしまう。詩的な文章で、絵もとても美しかった😊2024/09/27
なつきネコ@姑息な化け猫
43
有名な童話のハメルンの笛ふき。ちゃんと読んだのは初めて。この童話は史実、本当にあった話として伝わって、子供十字軍説、集団誘拐などの説がある。あらすじは知っていたが、ちゃんと読んでみると、こういった話なのかと。ケート・グリーナウェイのイラストがすばらしく。その世界に招かれてしまいそう。ネズミや子供が、この世にない素晴らしい世界に憧れ。この気持ちはわかる。そこにいけない助かった子供の観念もわかる。大人の視線から悲劇として伝えられ子供の集団自殺童話となった。しかし、子供の側からしたら別の考えがあるのかも。2023/12/31
gtn
41
政策よりもマスコミの声を優先する首相や、この場に及んで他に責任を押し付けようとする都知事。もし、目の前に笛吹きが現れ、禍を取り除いてくれても、これら為政者は自分の手柄にしないとも限らない。2020/12/16
ほりん
40
ドイツの伝説をもとにした絵本。イギリスの詩人ブラウニングの文、ケート・グリーナウェイの絵、矢川澄子の訳。いろいろな小説で引用される「ハメルンの笛ふき」の話を知りたくて手にした。ハメルンの人々がねずみの大群に悩まされていると、一人の男が現れ、「ねずみを退治できる」と言う。市長は大金を払う約束で男にねずみを退治してもらうが…。結末はなんとも怖ろしい。約束は守らなければいけないという寓話。グリーナウェイの絵が繊細で優美。彼女の絵は「当時の子供服のデザインに影響を与えた」と言われているそうだ。訳も素晴らしい。2015/12/02