内容説明
混沌としてどんなときに比べても先がはっきりと見えない20世紀末の今、20世紀という時代とファッションがどう関係しながら歩いてきたのか。21世紀に向かって日本から発信されている世界を視野に入れた新しいメッセージとは…。
目次
1 着衣のヴィーナス
2 20世紀の服
3 デザインの奔放な試み
4 日本の風景
5 ファッションはパッション
未来に向けて発信する、日本のファッション
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoko Kakutani 角谷洋子/K
3
深井晃子氏の著作は何度も読み返したくなります。鋭いセンスと知見が光っている。個人的に好きなデザイナー、ヴィオネ、バレンシアガ、チャールズ・ジェームズを氏が高く評価しているのは嬉しい。日本のデザイン教育は作ることばかり重視して、高レベルのものを視る訓練を軽視しているという提言も。マリー・クワントがミニスカートを生み出した理由を問われて「男を喜ばせるためだ」と答えたというが、氏はそれを過激なミニが世界に受け入れられるための戦略だ、と分析する。一流のデザイナーたちのしたたかさが窺えるエピソードも多く面白い。2020/03/29