出版社内容情報
放課後児童クラブに通う、小5の純成とみこと。どちらも母とふたり暮らしだ。幼い頃に両親が離婚し、父親の記憶がない純成は「父に会いたい」と心の中で願っているが母には言えない。みことは病弱な母とふたりで暮らすことに不安を感じ、「自分の心に負えない」ことが増えている。
七夕の短冊に願いごとを書きたくないと拒み続ける純成に、なにか事情があるのではと察したみことは純成が気になる存在に……。おたがいを想いあうふたりの気持ちが、夏のまぶしい光の中でまじりあう。
【目次】
・1章 逃げること
・2章 集まること
・3章 うちあけること
・4章 知ること
・5章 向き合うために
内容説明
まだ子どもだけど、子どもなりに、自分の人生があるんだ。そして自分の人生を生きる権利がある。
著者等紹介
村上しいこ[ムラカミシイコ]
三重県生まれ。『うたうとは小さないのちひろいあげ』(講談社)で第53回野間児童文芸賞、『なりたいわたし』(フレーベル館)で第70回産経児童出版文化賞受賞など。松阪市ブランド大使。手話サークル『ひまわり』代表。小学校や図書館など各所で講演やワークショップを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
13
子どもがのびのび生きられるって大切!主人公は父親のいない小5の少年と少女です。大人に振り回され、自分の気持ちに正直になれない彼らが、お互いを気遣いながら不自由な人生を切りひらこうと足掻きます。子どもの権利を掘り下げる気づきに満ちた一冊ですね。人の優しさに慣れていない少年や、人との距離を詰められない少女の深~い事情が胸に迫りましたよ。子どもに気を使わせてしまう大人の姿は心にこびりつきました。自分にもそんな面があるのでは?と自問する機会が得られた点でも有意義な読書となりました。(対象年齢は10歳半以上かな?)2026/06/16
takaC
12
純成とみことが仲良く大人になれるといいね。2026/06/20
鳩羽
4
七夕の短冊を書くことを頑なに拒否する純成。そこに何か理由があるのでは、困っているのではと興味を持つみこと。2人とも母親と二人暮らしで、純成は母親の描く生活に自分の意見が反映されないことに不満を持っており、みことは精神的に体調を崩す母親と生活をしている五年生。友達に相談することや子ども食堂に出かけること、福祉の相談窓口に行くことなど、現状を良い方向に変えていくための試みは行われて、多少は安心できる。ただ、親や教師といった大人たちに忖度して、困り続けるしかない子供の立場がなくなりはしないことも伺える。2026/09/28
遠い日
4
母親とふたり暮らしの純成とみこと。それぞれの家の事情はなかなか世知辛い。大人の事情で子どもに良かれと判断されたことが必ずしも当人にとってはそぐわしいとは限らない。そして、子どもは大人を慮って、声を上げることができない場合も多い。家族について自分の知りたいことを知る権利があることを知った純成とみことの行動力はすばらしかった。現実にはこんなにすんなりといかないだろうとは思うけれど、子どもが考える自分の人生と希望は、受け止められるべきこと。大人の都合でないものにされるのは甘受できない。2026/07/31
かはほり
4
さまざまな事情を抱えた純成とみことの眼をとおして、親や大人に対しての不信感や違和感などの葛藤が丁寧に描かれる。消化不良みたいな結末ではあるけれど、これからどう生きて行けば良いか読者に考えさせてくれる本だと思った。物語では純成は、母親の交際相手に対して険悪にはならなかったものの、例の京都の陰惨な事件を思い出してしまい、暗澹とした気持ちになった。2026/07/18




