出版社内容情報
心を閉ざした少女、ミアが迷いこんだのは「いらないものがいる町」。町の住人たちは、家に閉じこもったままのミアを心配して、すてきなことを思いつくのですが……。村上雅郁×カシワイがつくる初めての絵本。
【目次】
著者等紹介
村上雅郁[ムラカミマサフミ]
1991年生まれ。鎌倉市に育つ。2011年より本格的に児童文学の創作を始める。第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作『あの子の秘密』(「ハロー・マイ・フレンド」改題)にて2019年にデビュー。同作で第49回児童文芸新人賞を受賞
カシワイ[カシワイ]
イラストレーター・漫画家。漫画や書籍の装画・挿絵などを中心に幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
131
村上雅郁さんの沁み入るやさしさと、清らかに透きとおるカシワイさんの絵が、哀しみからの再生を描いている。いらないものが集まる町に一人の人間が迷い込んでくる。塞ぎ込んでしまった気持ちを抱えたまま。そこには魔女がいて、寂しさを感じたあらゆるものに命を吹き込んでいる。でも、心を閉ざしたままを望むものもいる。それはもしかしたら大切な人との再会を待っているのかもしれない。好きだったのに離ればなれになったもの、もう会えないと諦めてしまったもの、記憶を手繰り寄せれば心の中にきっと灯る。光があればまた歩き出すことができる。2026/06/18
りらこ
26
世の中にたくさんあふれるものたち。どんどんと古くなっていって、いらないよね?って捨てられていきます。 この町は魔女が、「いらないもの」を「いるもの」に変身させて暮らしています。 不思議な世界。魔女の部屋は魅力的なものであふれていて、すてき。その町に「ミア」がやってきて。 心を閉ざしたミアは、自分がいらない人間だと思っています。心がとけて、開いていくのは何をきっかけに?それって無理して開かせなくちゃならないもの? ちょっと震えます。だって自分もどこか「いらない」人なんじゃないかって思っているから。 2026/06/27
小崎アキ【知る人ぞ知る本棚】
4
ページを開くと、気づいたら町の中にいた。 「なんとかしたいのに、どうにもならない」「自分なんて必要とされていない」 そんな気持ちを抱えていたからだ。主人公が閉じこもる姿が自分と重なった。 でも不思議なことに、この絵本はテーマのしんどさより先に町のかわいさが目にとまった。ここに住みたい、とまず思う。読後、気持ちが少し楽になった。│解説記事⇒https://aki-o1984.hateblo.jp/entry/2026/06/13/1200002026/06/13
遠い日
3
自分のいる世界の「普通」に合わせることに疲れてしまったミア。行き場をなくしたミアが現れた場所は、まさにすべての疲れたものたちの「居場所」。いらないものにも、自分の身を置く居場所は必要。息ができる場所は今日を生き延び、明日へと顔を向ける場所。今、したいことをできる喜びさえあれば、次のことはまた次に考えればいいのかもしれない。町の住人たちのやさしさは、かつて彼らがきっとミアと同じ思いをしたからに違いない。ミアがしたいことを思い出せてよかった。自分を責めることから生まれるものは、ないから。希望の物語でした。2026/06/19
環実
2
木星と金星が近い場所で輝き合っている夜に本に出会った。 嗚呼、このことばは、あの頃に言ってほしかった。このことばを言ってあげれたら彼女の生き方は変わっていたろうか。 後悔と懺悔で苦しくなった。言葉はとても短くて。おそらく著者がぎりぎりまで研ぎ澄ました原石は理不尽にさらされた心に、種を落とす。解くような包むようなイラストは気持ちがほどける。呼吸が楽になる。絵と文章の両天秤のバランスの絶妙。読み終える。どうしてだろう。なにがしたい。文節のはざまから 声が聞こえる。あるじゃない。いる。心の原石を見つけた。2026/06/19




