内容説明
おとぎの国の王様、武井武雄のナンセンス・ワールド。ほんとうの“生まれがい”ってなんだろう…不思議で奇想な物語。日本児童文学大正ルネッサンス期に生まれた幻のおはなし。
著者等紹介
武井武雄[タケイタケオ]
童画家、版画家、童話作家、造本芸術家など。1894年、長野県諏訪郡平野村(現在の岡谷市)に生まれる。東京美術学校西洋画科卒業後、絵雑誌『子供之友』『日本幼年』『コドモノクニ』等に子供向けの絵を描き始める。1923年に初の短編童話集『お噺の卵』を刊行。1925年頃から、子供のための絵に「童画」という呼称を用い、その言葉を広めた。この頃から童画だけに限らず、童話の創作、個展・作品展などの活動も積極的に行う。1927年、初山滋、川上四郎、岡本帰一、深沢省三、村山知義、清水良雄らと日本童画家協会を結成。1959年に紫綬褒章を、1967年に勲四等旭日小綬章を受ける。1983年、心筋梗塞のため急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kira
11
図書館本。童画家の武井武雄氏による児童書の新版。初出は大正十三年に児童雑誌「金の星」に掲載。不思議な物語と武井氏の挿画をたっぷり味わった。この物語も収録されている『お噺の卵』を手に入れたい。2022/05/18
遠い日
7
『ラムラム王』の初出は大正13年に児童雑誌「金の星」に掲載された。本書の第1章部分のみだったのがその後『ラム王の一生』とタイトルを変えて7回にわたって連載された。児童文学にして奇想譚。荒唐無稽なのに存外人生訓を隠し持った印象の運び。「本当の生まれがい」を求めて、ラムラム王の放浪と活躍が8章にわたって語られる。「生きがい」ではなくて「生まれがい」。わたしも未だに思う。自分はなんのために生まれてきたんだろうと。ラムラム王の数奇な運命は、彼を正しく導いたようだ。生きてみるもんさ。武井武雄の絵がすばらしすぎる。2022/09/25
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