出版社内容情報
岩城範枝と出久根 育が描く、日本的情緒と不思議なあわい(間)。
テレツクテン テレツクテン
ピーヒャラ ピーヒャラ ピーヒャララ
ドドンド ドンドン ドドンド ドン
ピーヒャラ ピーヒャラ ピーヒャララ
どうです、いい音でしょう?
ここは風のとおり道。
だからよくひびくのです。
おじいちゃんの家にひとりで遊びにきたリュウ。にぎやかな音で、夜中に目覚めたリュウは裏口の扉を開けると外はおまつりで大にぎわい。わたがしやさん、おめんやさんに金魚すくい……でも、どこかへんみたい。
内容説明
真夜中のおまつりは、なにやら不思議。夜中に目覚めたリュウが扉をあけると、外はおまつりで大にぎわい。わたがしやさん、おめんやさんに金魚すくい…でも、どこかへんみたい。岩城範枝と出久根育が描く、日本的情緒と不思議な間。
著者等紹介
岩城範枝[イワキノリエ]
東京生まれ。コピーライター、放送作家を経て児童文学の世界へ
出久根育[デクネイク]
東京生まれ。チェコ共和国プラハ市在住。『あめふらし』(パロル舎、現在は偕成社より発行)で2003年ブラチスラバ世界絵本原画展にてグランプリを受賞。『マーシャと白い鳥』(偕成社)にて第11回日本絵本賞大賞、『もりのおとぶくろ』(のら書店)にて第58回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
84
ひとりでおじいちゃんの家に遊びに行ったリュウは、夜中に不思議な祭り囃子が聞こえて外に出てみたら、そこは大勢の人が行き交うお祭りだった。かって川だったそこは道になっていた。出会った不思議なおじさんの言葉「ここはむかし、川でござんした。そりゃあ、きれいな水が流れていたもんだ」「ですがね、いまだってそこのほうには、ちゃあんと水が流れてるんでさあ」。とても素敵な世界観、夏の読み聞かせにピッタリな1冊。2022/09/07
はる
70
好みです。おじいちゃんの家に泊まりに来た男の子。夜中、ぐっすり眠っていた男の子は、近くで聞こえる笛や太鼓の音に目を覚まします……。不思議でちょっと怖いけれど、どこか懐かしくてあたたかい。夢のような、古い記憶の欠片のような切なさ…。何かを悟っているようなおじいちゃんがいい。出久根育さんの幻想的な絵も魅力的。2022/08/17
よこたん
45
“いわれてみれば、ザリガニの顔です。おめんではありません。よく見ると、あたりのひとの顔も メダカだったり、カエルだったりするのです。” こんなところで夏祭り。遠くからながれてくるお囃子の音。暗がりにぽうっと光る夜店の列。甘い匂い、こうばしい匂いが入りまじる。大勢の浴衣姿のご連中をよく見てみれば…。恒川さんの『夜市』のようなこわい展開になるかとドキドキしてたら、とても優しい世界だった。人間の都合で変えられてしまった住環境に憤りつつも、お祭りを楽しませてくれる懐の深さがいい。出久根育さんの絵が、とても幻想的。2022/09/30
chiaki
40
おじいちゃんからはがきをもらったリュウは、1人で電車に乗ってお泊まりをしに行きます。夜、どこからか風に乗っておまつりのお囃子が聞こえてきたかと思うと…。川まつりのちょっぴり切ない訳も幻想的な雰囲気も大好きです。お祭りの、どこか異世界へと繋がってるようで、ちょっと怖いようなわくわくするような非日常の空間、出久根育さんの絵が裏切るはずがありません♡夏また読みたいな。2022/10/21
ちえ
40
【図書館児童書コーナー今月のテーマ 祭り】一人でおじいちゃんの家に泊まりに来た男の子リュウ。ふと目が覚め、笛と太鼓の音に誘われて外に出るとそこは不思議なお祭りだった。「ここは昔川でござんした。そらあ、きれいな水が流れていたもんだ」…ハクを思い出す。出久根さんの幻想的な絵がいい。2022/09/04