内容説明
東京の浅草でうまれそだった少年、心平は友だちと楽しくすごしていました。昭和19年、戦争がはげしくなって、福島のおばあちゃんの家に疎開することになりますが…。戦争で戦災孤児となった著者が描く、子どもに伝えたい、戦争があった、あのころの物語。
著者等紹介
漆原智良[ウルシバラトモヨシ]
1934年東京・浅草に生まれる。児童文学作家、教育評論家。東京大空襲で家族を失い、戦後、福島、栃木と各地で生活。東京都の公立小・中学で28年間勤務後、依願退職して著述活動に入る。懸賞日記ドラマー等入選、NHK放送記念祭賞受賞。第45回児童文化功労賞受賞。社団法人日本児童文芸家協会顧問
山中桃子[ヤマナカモモコ]
1977年栃木県に生まれる。イラストレーター。「現代演劇ポスターコレクション」1999年、2000年入選。『田んぼのいのち』『牧場のいのち』(以上くもん出版)でそれぞれ第19回、21回ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yamazon2030
76
2018(41) 著者の漆原さんに童話の添削をお願いしたのがきっかけで、図書館で借りてみた。 戦争孤児の著者が書く、戦争があったあのころの物語。 心平と勝男の再会での雷魚とメンコの件に心温まる。 今の平和を噛み締めながら読了。2018/08/31
かおりんご
35
児童書。著者の体験を物語にしたもの。戦時下の小学生の生活がよくわかる。東京大空襲で、両親や妹、祖母を失った主人公が、前を向いて生きていこうとするところで終わっているけれど、このあとのことも知りたいと思った。中学年ぐらいから。2016/08/13
ヒラP@ehon.gohon
16
戦災孤児として戦後を生きてきた漆原智良さんの、体験を下地とした物語です。 児童書として、控え目な語り口ではあるけれど、東京大空襲で親を失い、縁故疎開者として戦争を体験した、悲しみがにじみ出ています。 130数ページにまとめてしまったために、物足りなさを感じるのが残念ですが、戦争というものに向き合える作品です。2019/10/31
杏子
13
戦争のために歪められた人生がどれほどあったのだろう。この物語もその一つ。おそらくは、戦災孤児となった作者の経験をもとに語られた物語なのだろう。こういう戦争にあった人びとの話をもっと語り継いでいくべき。それを子どものうちから、読んだり、聞いたりしておく。それらのたくさんの物語によって、より深く心に刻まれることだろう。2014/12/03
tellme0112
8
等身大の子どもが、感じる戦争。タイムスリップしてきたような、そんな印象。先生に対して白ける、という表現を使うあたり。最後は、悲しい。けどたくましい…。ちいちゃんの影送り思い出したなあ。2017/12/06