出版社内容情報
王さまの秘密を知った床屋さんは穴に声を埋めて一安心。
原作のギリシャ神話が持つユーモアと風刺の味を、線描で
際立たせた秀逸な絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆうpanda
36
<読み聞かせボランティア・対象1年生>同じ内容の本が何冊あるか分かりませんが、絵の質で言ったら本書はピカイチです。絵はおぼまことさん。文章も読み易かったです。ただ驚いたのは、王様が耳をロバにされてしまった理由。アポロンの上品な竪琴よりパーンの野趣溢れる葦笛が良いと言ってアポロンの怒りをかった為です。音楽の好みは人それぞれなのに!可哀想なミダス王!私が以前読んだ本では、約束を破ると殺すぞという点が強調されていた気がします。この本の読み聞かせでは教訓めいたことは殊更に言わず、雰囲気を楽しめれば良いと思います。2017/07/07
いろ
9
小4朝読で拝聴したのをきっかけに,このお話を8歳男児とも読みたくて,村上勉さん絵 岸田衿子さん文の絵本を探したが,残念ながら近くの図書館には置いてなかったので,山室静さん文のこの絵本を一緒に読む。王さまはミダス王,そして,音楽の神アポロンや野原の妖精パーンが登場するギリシャ神話がベースのお話と初めて知った。ロバ耳の原因となる音楽対決では「感じ方は人それぞれだよね~,アポロンひどい。」と息子と2人でブーイングしたりw ラストは,ちょっぴりサッパリめ。2016/09/26
遠い日
2
有名な昔話なのに、すっかり細部を忘れている。物言わぬは腹膨るる業。知ってしまった床屋の苦悩。そして、良からぬことを企んだ浅薄な王様の愚かさ。2019/02/09
lovemys
2
数々読んだ「おうさまのみみはロバのみみ」の中で、これが一番納得がいった!読後、ストンと落ちた。この絵本は、なんで王さまの耳がロバの耳になったのかから描かれていて、それも興味深かった。もとはギリシャ神話だったのねー。ずっと何でロバの耳なのか気になっていたのだけれど、ようやく分かりましたー。長年の疑問が解けて嬉しい♪そして、ロバの耳がばれていないのもよく理解できたし、床屋さんの気持ちも理解できたし、私の中で何とも宙ぶらりんだった物語の細部が、この本にて埋められた感じがする。絵も独特で素敵だったし、満足の1冊♪2014/07/01