内容説明
ケンタッキー・ダービーをめざす駿馬が思わぬ惨敗を喫し、厩舎のオーナーの弟が射殺された。犯人とおぼしき男のあっけない死にのぞみ、コロンボ警部は競馬界の内幕に踏み込んでいく。20万ドルの外れ馬券に秘められた謎と…捜査に介入してくるマフィアの影。一頭の黒いサラブレッドに賭けた馬主の、大いなる野望とは…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
81
新シリーズ・第65話。原作であるドラマの邦題は「奇妙な助っ人」。牧場主の兄と名ばかりの共同経営者である弟。ギャンブルに溺れた弟が殺害される。原題だと「Strange Bedfellows」ふーん、こういう言い方をするんだね。確かに今回コロンボを助けた人物は警察としては禁じ手だろう。でも、それはそれとしてラストにきっちりとしめるのはさすがコロンボさん。問題となる競走馬フィドリングブル以外はここに登場した馬は全て実在した競走馬というのも面白い。★★★2019/06/28
のびすけ
19
競走馬フィドリングブルをめぐる八百長と金儲けに絡んで起こる殺人事件。犯行の筋書きはよく出来てるけど、犯人が実行したアリバイ工作と偽装工作があまりにお粗末。現場に残した手掛かりが多過ぎ。なので、コロンボが犯人を追い詰めるワクワクは少なかったかな。アサリで腹の調子を悪くしたり、駐車違反の切符を切られたりするコロンボがお茶目。高い競走能力がありながら、愚かな人間の思惑に振り回されたフィドリングブルだけが不憫だった。2023/03/05
有沢翔治@文芸同人誌配布中
7
牧場主のグレアムは道楽三昧の弟、シオドアを射殺する。彼は競馬の八百長に加担しており、その上、マフィアのブルーノから手切れ金を要求されていたのだ。彼らが殺し屋を雇ったように、ブルーノは強盗に押し入ったように装い、正当防衛を主張していた。しかしコロンボ警部はポケットに入っていたハズレ馬券に目を付ける。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51515715.html2020/11/01
churu
6
正統なミステリーとしては亜流でも、やっぱりコロンボは面白い。ディック・フランシスの競馬シリーズのSMプレイばりに息苦しい展開が苦手な人でも、競馬に興味がない人でも、肩も凝らず楽しんで読める。のみならず、ガチの競馬好きなら次々と飛び出すアメリカの実在の活躍馬に大興奮間違いなし!という理由で本書こそが最強の競馬ミステリーだと思っている。いい味出してるマフィアのボス。シラッとその上をゆくコロンボ。エンディングでバカな人間どもを嘲笑うかのように、ハナ切ってぶっちぎりで飛ばすフィドルの爽快な走りがたまらなく胸熱。
don
3
マフィアのボスが味わい深い。フィドルがダービーに勝つといいんだけど。2011/10/30