内容説明
中国では、〓小平のXデイ直後から広い国土の至る所で不満分子が蠢きだし、大乱の兆しが拡がっていた。景気の失速と暴動によって後継体制は瓦解し、新たに北京に登場した李炳章政権は、中国大分裂回避の秘策として南沙から台湾、インドへと戦線を拡大した。在日米軍の撤収発表によって未曾有の不況と、一転した円安に襲われる日本には新しいタイプの首相が登場し、国益を損なわない、ナショナリズム外交が始まる。カシミールを旅行中の日本人女流画家が目撃した集団は、マフィアに連携する広東、チベット独立の秘密結社らしかった。中国は大乱に陥り、世紀末のアジアに戦雲が…。