内容説明
1960年代後半、イスラエル空軍は存亡の危機に直面した。フランスの武器輸出禁止措置により、超音速戦闘機ミラージュの入手が不可能となったのだ。足を負傷して空軍から除籍されていたダニエルは、この知らせを聞いて遠大な計画を立案する。総計数十万枚ものミラージュの設計図をすべて盗みだそうというのだ。イスラエル、フランス、スイスを結ぶ決死の作戦の成否は?史実に基づき壮大なスケールで描きあげた波瀾万丈の冒険ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HODGE
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60代年後半、ドゴール仏大統領がイスラエルへの武器禁輸に踏み切ったために、イスラエル側がそれに対抗した二つの出来事──シェルブール港からミサイル艦を強奪したこと、ミラージュ戦闘機の設計図の複写をスイスの会社から強奪したこと──を組み合わせ、モサドの「快挙」として小説化したもの。作者はイスラエルの建国にまで遡り、その行動原理を説明し、それはかなり説得力のあるものになっていると思う。諜報戦も、若い男女の青春物語と絡ませ普通に面白く脚色されている。イスラエルの敵役(裏切りを含む)が全員死ぬのも小気味よい。2016/06/26