出版社内容情報
発禁処分となった原作を無削除で翻訳!
20世紀官能文学の最高傑作と言われる『エマニエル夫人』は1960年代に当社が翻訳出版したが、内容が卑猥との理由で“発禁”処分となった。しかし、当時の社長 堀内俊宏の執念で、きわどい箇所を削除、修正して1969年に再刊行し、大ベストセラーになった。
本書はその、いわくつきの原作をついに無削除で新訳した完全版!
シルビア・クリステル主演の大ヒット映画「エマニエル夫人」から半世紀、新たな映画化作品が2024年9月にフランスで公開され、日本でも2025年1月10日に公開。
───エマニエルは夫の赴任地タイへ向かうが、思わぬ出会いから性に目覚めていく・・・
内容説明
ひとりの人にすべてを捧げてはいけない。名作エロティック小説、無削除完全版。
著者等紹介
アルサン,エマニエル[アルサン,エマニエル] [Arsan,Emmanuelle]
1932年タイのバンコクで生まれる。16歳でフランスの外交官と結婚。映画の脚本家として活動しながら、女優としても1968年ロバート・ワイズ監督の映画『砲艦サンパブロ』にマラヤット・アンドリアンヌ名で出演した。その後、小説の執筆活動に転じ、『エマニエル夫人』で、一躍有名作家の仲間入りを果たした。同性愛や不均衡・多数の異性と営む反自然的な行為にエロティシズムを見いだす、新しい愛のかたちを描いて多くの女性たちから支持された。2005年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
140
映画は観ていますが、原作本は未読でした。今回新訳「無削除完全版」が、出版されたので読みました。官能の嵐、半世紀以上前の作品とは思えない程、現代でも古びていません。しかし新訳にも関わらず、スチューワーデスと訳しているのは、スチューワーデスの方がエロいからでしょうか❓ このレビューは、エマニエル夫人のテーマを聴きながら書きました♪ https://www.youtube.com/watch?v=ERe_7c0aeaU https://www.futami.co.jp/lp/emmanuelle 【読メエロ部】2025/02/19
松本直哉
24
いまだ妊娠中絶が違法で女性の性が抑圧されていた1959年に、このように大らかに性の自由を謳歌する本書の与えた衝撃の大きさは想像にあまりある。相手の同性異性を問わず、未婚既婚を問わず、単数複数を問わない性的行為の放埒が許されるためには、タイという異郷が必要だったのだろう。とはいえ後半の、マリオという男性との性と美をめぐる哲学的対話はただ眠気を催すだけで、男の説教くささに辟易するし、あげくの果てに彼に本当の快楽を教えてもらうという結末は陳腐きわまりなく、このあたりがこの時代の限界であったのかもしれない。2025/03/19