出版社内容情報
将軍直属17家の「御庭番」宮地家の若き二代目加門。盟友と合力して、江戸に降りかかる闇と闘う!
内容説明
天明四年(一七八四)三月二十五日、江戸城で前代未聞の凶事が出来した。老中田沼意次の嫡子意知が、将軍を護る新番士の佐野善左衛門政言に斬りつけられたのである。意知は若年寄に就いたばかりだった。七十歳の大目付・松平忠郷が佐野を羽交い締めにする足下には、意知が血まみれで倒れて虫の息。他に誰も佐野を止めようとはしなかった。はたして佐野一人の暴挙なのか?
著者等紹介
氷月葵[ヒズキアオイ]
東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。秋月菜央の筆名や福知怜の筆名で歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六0」筆名・井水怜で大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
72
政変が…その始まりは、まず嫡男を…。紀州から8代将軍徳川吉宗に付いて江戸へ出てきた2代目の御庭番・宮地加門と同じく老中・田沼意次の活躍の物語です。田沼意次の嫡男で若年寄の意知が、殿中で新番士の佐野政言に斬られて亡くなる。その後、意次が老中を罷免され。将軍徳川家治が亡くなり。新将軍に御三卿のひとつの一橋家の当主・治済の嫡男・家斉が就任する。御庭番の宮地加門は、御庭番を辞めて息子・草太郎と一緒に町へ出て町医者になる。意次の推挙で上がった者たちが次々と役を解かれて行く。🌿続く→2022/03/26
ひさか
15
2022年2月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ18作目にして完結編。田沼時代の終焉とその後の加門一家の行末が語られる。この時代にしては加門は、自由闊達に過ごしたすごい人だと思います。面白く楽しかったです。18作までのロングランはちと引っ張り過ぎのような気もしました。2022/04/30