出版社内容情報
染め直したり、仕立て直したり、そういう工夫も楽しいわ
リフォームから晴れ着まで、裁縫名人の姫君が遭遇する平安ラブロマンス
藤大納言家の中の君・謹子は内親王だった母を喪い、継母から一族の裁縫仕事を押しつけられている。
乳母たちは嘆くものの、当の本人は縫物や染物を楽しみ、結婚にも興味なし。
そんな謹子が侘住まいする染殿に今をときめく若公達・藤原真幸が!
賀茂祭で謹子を見初めたという真幸と運命的に結ばれるも、謹子は世間から忘れられた身。
実は真幸の本命は異母妹の慈子だった!?
創る喜びと恋の成就を色鮮やかに描く物語。
内容説明
藤大納言家の中の君・謹子は内親王だった母を喪い、継母から一族の裁縫仕事を押しつけられている。乳母たちは嘆くものの、当の本人は縫物や染物を楽しみ、結婚にも興味なし。そんな謹子が侘住まいする染殿に今をときめく若公達・藤原真幸が!賀茂祭で謹子を見初めたという真幸と運命的に結ばれるも、謹子は世間から忘れられた身。実は真幸の本命は異母妹の慈子だった!?創る喜びと恋の成就を色鮮やかに描く物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
60
(『落窪物語』を底本としたフィクションです)という断り書き付きの『落窪物語』の翻案作品。中の君・謹子は落窪のヒロインと同様に大納言家の縫物を押し付けられて自分自身は新しい布ももらえないという状況だが、このヒロインは染めることや縫う事に楽しみを持って才能を発揮している点が興味深い。謹子の布帛仕事の評判や中の君の称号?を妹の三の君のものにしてしまうというようなやんわりした継子いじめが結果的に三の君や大納言家への意趣返しにつながるのが面白い。2021/07/13
粋
10
平安ものだと手にとって読んでみたけど、なかなか面白かった。話は終始静かな感じなので少し物足りなさもあるが、色んな襲の色目が出てきて楽しかった。謹子を連れ出す時もっと揉めて欲しかったし、腹違いの兄がもうちょっと絡んできてもよかったのではと思うが、真幸の惚気や謹子のその後の幸せそうな暮らしぶりが読めたからよしとしよう。2022/10/20
misalyn
9
和製シンデレラか軽めのおちくぼ姫という感じかな。 亡きお母様の教え「恨まず、羨まず、手の中の幸せを大切にして生きること」を守って、継母の意地悪にもめげず捻くれず慎ましやかに生きている謹子姫。セオリー通り神様のお導きで若い女性憧れの“今光る君”と巡り合い、染殿の対から連れ出してもらってめでたくハッピーエンド💏 ライトな読み心地ではありますが、色合わせなどはなかなか興味深かったです2022/12/03
romance_holic
5
裁縫名人の姫が主役ということで手に取ってみたのですが、ざ・ちぇんじ や なんてすてきにジャパネスク、あさきゆめみしにどっぷりつかって10代を過ごした私には昔懐かしい平安ロマネスクでした!2023/11/19
なつき
5
古典落窪物語を下敷きにしたというより、ヒロインが裁縫大好きな山内直実さんの「おちくぼ」を下敷きにして、ヒロインの不幸度も継母の毒っ気も他の登場人物も薄めた結果、ざまあのカタルシスも薄くなってしまった、やや薄味なお話。2021/10/18