出版社内容情報
将軍直属17家の「御庭番」宮地家の若き二代目加門。盟友と合力して、江戸に降りかかる闇と闘う!
内容説明
御庭番の宮地加門は幼い頃からの友で今は老中の田沼意次から城へ呼ばれた。御三卿一橋家の治済が来るので隣室で聞いていてくれというのだ。陸奥白河藩から御三卿田安定信への養子縁組みを渋っている定信へ意次の力で推進してほしいとの頼みだった。田安家の治察は病弱、万一のときは…。一橋治済の深謀、田安定信の固辞、そして老中田沼の胸中に渦巻くものは…?
著者等紹介
氷月葵[ヒズキアオイ]
東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。秋月菜央の筆名で『虐待された子供たち』(二見書房)等、福知怜の筆名で『タイタニック号99の謎』(二見書房)など、歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六〇」筆名・井水怜で大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
83
紀州から第8代将軍・徳川吉宗に付いてきた二代目コンビが活躍する物語です。老中・田沼意次、御庭番・宮地加門は、幼馴染で気心の知れた2人が、将軍家治のためにと動きます。此度は、下勘定所の役人・田部井が賄方の不正を発見し、宮地が積極的に田部井を補佐します。この物語は、字も大きく、読みやすく、テンポもいいです。田沼も宮地も人柄が良く、仕事も出来と、明るい物語になっています(笑)2021/05/27
ひさか
7
2021年2月二見時代小説文庫刊。書下ろし。シリーズ15作目。タイトルにもなっている田安家の養子問題と勘定所に務める正義感の強い田部井を応援する宮地加門の話を中心にして、家族のことや時代のことが興味深く語られる。派手さはないものの面白く読めました。どうということもない話ですが、ここをじっくりと語るのがこのシリーズの持ち味だと思います。2021/03/28