出版社内容情報
寺院の境内に祀られている59の動物たちに秘められたご利益や歴史を解説。イラストと写真満載で参詣がより楽しくなる一冊。
内容説明
お寺の動物に隠されたひみつ。そのご利益や驚きの歴史を解説。ネコ=商売繁盛、ウシ=無病息災、タマムシ=金運向上、サバ=病気平癒、スズメ=眼病平癒、チョウ=招福ほか。動物パワーで福を呼ぶお寺170紹介。
目次
序章 仏教と動物(仏教と動物の意外な関係)
第1章 陸の生き物(ネコ 経典をネズミの害から守る;イヌ 異常を察知して邪を祓う人間の忠実な従者 ほか)
第2章 水辺の生き物(魚 魚の入ったかごを持つ魚籃観音;カメ 大地を支える聖獣 ほか)
第3章 空の生き物(クジャク 毒ヘビを喰らい、雨をもたらす霊鳥;フクロウ 知恵の象徴であり縁起のよい鳥 ほか)
第4章 霊的な生き物(龍 インドのナーガ族にルーツを持つ蛇神;天狗 深山幽谷に棲む妖怪 ほか)
もっと知りたい!動物の話
著者等紹介
今井淨圓[イマイジョウエン]
1957年兵庫県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科(仏教学)博士課程修了。種智院大学教授、大本山中山寺長老、善通寺教学振興会研究員、龍谷大学兼任講師、一般社団法人仏教検定協会理事。「密教学、聖地、巡礼、観音信仰、仏教美術」をキーワードに研究を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
82
「どうぶつ」と言っても生きた動物ではなく、像や彫刻等、各地のお寺で祀られている動物を紹介、解説してくれるユニークな本。表紙のセンスそのままの軽いイメージで、動物切り口でカテゴライズしたお寺の観光ガイドブックのようでありながら、由来やまつわるエピソード等は本格的で興味深い。「神社のどうぶつ図鑑」の姉妹編とのことだが、そちらは國學院大學神道文化学部教授監修、本書は種智院大学教授監修と、きっちり専門家を配した質の高いシリーズと見受けられ好印象。法事や観光でしかお寺に行かない私のような人間にはうってつけの良書。2021/08/03
ままこ
66
猫は実は仏教との縁が深い動物らしく1番ページも多かった。年に一度だけ会える秘仏「猫地蔵」10年に一度の節分のときのみ配布される「猫地蔵のお札」欲しい。おおっ!普光寺には珍しい“ネコ瓦”があるんだ。喋れてお経も唱えれる聖徳太子の愛犬「雪丸」キャラクターが可愛い。毘沙門天を祀る寺院ではムカデが刻まれている。長谷寺の夜になると眼が赤く光る「ウサギ観音」雑草を食べる修行を積んだウサギが140頭ほど放し飼いされてるそうだ。霊的な生き物も含めた図解入りの解説で、仏教ならではの動物説話や豆知識を楽しめた。2024/08/10
ネギっ子gen
46
仏教が、古代インドで誕生して以来、動物にかかわるエピソードは割と多い。お釈迦様の前生譚では、人間や動物としても無数の生死を繰り返しています。涅槃図や寺社縁起にも数多くの動物が登場。本書では、お寺に祀られている60種類の動物の由来やご利益、動物を大切に崇めている日本全国約170のお寺が紹介される。動物の種類も動物たちに込められた願いも様々のようで、<寺院の境内は、江戸期の庶民にとっては、現代の動物園のように数多くの動物や想像上の霊獣の由来を知り、物見遊山ともいえる動物ランドのような娯楽の場所であった>と。⇒2022/03/09
よこたん
45
ああ、ゆるゆると愛らしい生きものたちよ。仏様の乗り物になっていたり、お堂のあちこちに彫刻されていたり、石像として佇んでいたり。何でここに?と不思議に思うことはあった。あと、謎の動物。長らく、これ何?と気になっていた亀(というかほほガメラ)が墓石を背負っている的なものが、「重いものを背負うのが好きな龍の第一子の贔屓(ひき)」という霊的な生きものと分かった。スッキリ。手に取った甲斐があった。聖徳太子の愛犬「雪丸」、信貴山朝護孫子寺の「世界一福虎」、奈良安倍文殊院の巨大獅子が載っていて嬉しい。カラーで見たいよ。2022/05/04
shiho♪
24
実家がお寺なので気になった本。確かにお寺にはたくさんの動物がいらっしゃいますね。お寺巡りをしていても、あ、こんなところに動物が!とただ見つけていただけですが、深い意味があったとは…。 ちなみに私は邪鬼と龍が好きです。邪鬼(=煩悩)は四天王像に踏まれていたり、屋根を支えていたりして、頑張ってる感が好き。龍(=ブッダの守護)は屋根を支える柱に巻き付いていてカッコいい(法隆寺の金堂など)。 これからはちゃんと意味も考えながらお寺巡りを楽しみたいな。2021/08/03