出版社内容情報
殺し屋稼業から引退したケラーは、結婚し子供にも恵まれ幸せな日々を過ごしていた。そんなケラーのもとに新たな殺しの依頼が…
内容説明
ルイジアナ州ニューオーリンズ。殺し屋を引退したケラーは結婚し、子供もできてすっかり良き市民になっていた。新しい仕事のリフォーム事業も、好景気で順調だった。ところが、サブプライムローン問題によってバブルがはじけ、一気に失業状態に。そんなところへ、身を潜めていたドットより突然電話があり、殺しの依頼が舞い込んだ…(『ケラー・イン・ダラス』)。ほかに、数年ぶりに訪れた懐かしいニューヨークを異邦人の眼で見ることにとまどう『ケラーの帰郷』などを収める連作短篇集。
著者等紹介
ブロック,ローレンス[ブロック,ローレンス] [Block,Lawrence]
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、作品の数は50冊を超える。『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
105
前作『殺し屋ケラー最後の仕事』は最後の仕事ではなかった!今回は前にも増してケラーが切手にのめり込む描写が非常に多い。殺しの依頼も切手収集のついでになっている。殺し屋の話で始まったこのシリーズが切手収集がメインの話になろうとは誰が想像しただろうか?ケラーの引退を示唆しながらアクロバティックな内容で再び呼び戻したブロック自身もこの先のケラーを描くことに迷った、いやケラーが彼の中で動かなかったのかもしれない。どんなシリーズにも終わりはある。読者を大いに楽しませるシリーズならばその幕引きは鮮やかであるべきだろう。2017/01/02
KAZOO
46
ローレンス・ブロックの本がまた出版されて飽きもせずに読んでいます。殺し屋で切手の収集家でという変わった主人公ですが。短編集のようですが主人公の一つの物語が続いているという入れ子構造のような感じです。久しぶりに読むと、マット・スカダーシリーズも読みたくなります。2014/11/20
くたくた
44
妻がミーハー過ぎてちょっとイヤ(笑)。夫の仕事を楽しみ過ぎてないか? 「帰郷」と「海辺」では、目撃者が多すぎる気がして心配になる。高価な酒の出荷元から販売店が特定されたりしないんだろうか?混入されたクスリの成分から、どのエリアで闇売買されているクスリか、バレるとか。タクシーの運転手が証言するとか!もうちょっと慎重になってくれないと、軽いミステリーがファンタジーになっちゃう。ニューヨークなだけに、もしリンカーン・ライムがいたら一発でバレるな、などと思ったりもして。とはいえ、「副業」はよかった。2019/03/13
Panzer Leader
38
殺し屋稼業を引退して良き家庭人となったケラーにドットから依頼の連絡が来て現役復帰する。標的の家で寝込んでしまったりと相変わらず脇の甘いケラーさん。切手に関する蘊蓄、緊張感の無いドットや奥さんとの会話がほのぼのとした雰囲気を醸し出すのが良いねえ。次作もあると思わせる余韻のラストもグッドです。2016/01/12
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
完全に仕事をやり遂げる事デューク東郷の如し、目立たなくて家事や家仕事をそこそこきちんとして女に意外とモテる事村上春樹作品に出てくる主人公の如し、危機を身一つで脱出する事マスターキートンの如し、という殺し屋ケラーのシリーズ。前回のヒット&ランでもう最終回かな?と思っていたが、まだまだ青年殺し屋として活動してて嬉しいかぎり。しかも最後の短編「ケラーの義務」の終わり方の微妙さ。次が出るのかな?もう出たのかな?敬愛する田口俊樹氏の翻訳もシブくてかっこいい!2019/09/05
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