出版社内容情報
材木石奉行の一人娘は、父の冤罪を晴らさんと、公事師らと立ち上がる。
「達磨を若年寄様に届けよ」牢内の父から極秘の伝言。濡れ衣を晴らす鍵なのか!
江戸の石工職人たちから、奉行赦免の声が湧き上がる。
内容説明
材木石奉行瀬能一之進の一人娘・綾音は、伝馬町の牢に送られる父の駕籠にすがりつき、なんとしても濡れ衣を晴らすと叫んでいた。折しも通りかかった、公事宿で筆耕の仕事をしている若き侍矢野数馬は、綾音を公事宿に連れて行った。濡れ衣で切腹させられた義父の無念と奉行が重なったからだ。はたして公事師たちの手助けで奉行の濡れ衣は晴らせるのか!
著者等紹介
氷月葵[ヒズキアオイ]
1958年、東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。秋月菜央、福知怜の筆名で歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六0」筆名・井水怜で大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤よい
5
2巻に続いて読みました。 濡れ衣をいかに晴らすか! 集中して読めました。 牢座敷への繋ぎの取り方など喜平の裏の繋がりを生かした作戦のあれこれが面白かったです。2019/07/21
へたれのけい
5
証拠がなくなった後の対処に、力任せではない手段での一ひねりが欲しい。2019/04/04
ひさか
5
2014年6月二見時代小説文庫刊。シリーズ3作目。武士の問題を公事で乗越えるところに面白さはあるが、あいかわらず、展開は安易。この裏始末とやらが通用する世界という設定は、無理がありすぎると思う。2017/07/20
kmzwrs5781
2
タイトルの「裏始末」が際立つ。正しい人間が救われるとは限らない、そのため裏の方法での手助けが痛快。公事宿という特殊さに注目するとなお面白い。2024/06/11
あき
2
牢屋敷で父親の世話をしてた囚人が拾った財布が深井のもので、実は金のほかに書き付けも盗んでてそれが新たな証拠になる、って展開だと思ったんだけどなあ。無理やり書かせるよりよほど確かな証拠になると思うんだけど。それだと裏始末にならないからとか?裏にするなら相模屋から裏帳簿を盗み出すでもいいだろうし。裏帳簿だけだと証拠にならないけど、書き付けと揃えば確かな証拠に!的な展開なら盛り上がると思うんだけどなー。2020/07/01