内容説明
19世紀末英国。貴族の娘でありながら女医として忙しい日々を送るブライオニー。幼なじみのレオと数年ぶりに再会し、瞬く間にその魅力の虜となり結婚する。だが、とあることから結婚生活は一年ほどで終わりを告げ別々の道を歩いていた。―それから三年後。伝道師らとインドに渡ったブライオニーが山岳地帯を旅していると、レオの思わぬ訪問を受ける。父が危篤だという知らせだった。やむなく帰国を決め、その帰路、過ぎし日を思いかえすうち、ふたりのあいだにかつてない情熱がめばえるが…2010年RITA賞(Best Historical Romance部門)受賞作。
著者等紹介
トマス,シェリー[トマス,シェリー][Thomas,Sherry]
中国・チンタオ生まれ。13歳で米国に移住。現在も夫と息子たちと米国に暮らす。2008年のデビュー作『もう一度恋をしたくて』(ソフトバンク文庫)は数々の全米書評誌で絶賛され話題の大型新人として迎えられた。『灼けつく愛のめざめ』で2010年のリタ賞“ベスト・ヒストリカル・ロマンス部門”を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
38
幼い時から愛する人を奪われ続けてきた女性が医師になり、感情を押し殺して生きる中唯一求めた男性である元夫が、辺境の地まで彼女を探しにやってきて…という冒頭からまさに一気読み。素晴らしかった。若い恋と理想がみじめにくだけ散った後、それでも二人が愛を築いていこうと努力する過程に胸が熱くなりました。結婚生活を築いていくことの素晴らしさと難しさ。女性の社会進出、当時の歴史的背景。様々な要素が複雑に織り込まれた一冊です。この著者に失望させられたことがありません。2020/08/04
ち~
29
結婚生活が1年で終わってしまった数学者レオと医者のブライオニー。三年後、ブライオニーの妹に、インドにいるブライオニーを連れて帰るように依頼されたレオはインドの山岳地帯でブライオニーと再会。道中、内乱によって戦争に駆り出された2人が、生死を賭けた日々の中で思い起こす過去と、未来への模索。2人の気持ちの葛藤にグイグイ引き込まれて、ついつい一気読み。ロマンス小説の割に甘さはかなり控えめだけど、2人の心情描写など読み応えバツグンでした。2017/05/06
ちぇしゃ
11
お互いがお互いの思いに囚われて、お互いに向き合って対話することをせず別れを選んだ夫婦の再生の物語。「死」という喪失を目前にしなければ、愛情や自分の思いを素直に伝えることができない心情が過去と現在を行きつ戻りつしながらの表現が絶妙。無条件に愛情を注いでくれるはずの母という存在を立て続けに失い、不器用な父にネグレクトされたヒロインが愛情表現を知らないのも当然だし、初恋の女性に別の意味で裏切られ続けても思い続けているヒーローが愛していてもヒロイン不信なのも自然な感情。 長くなったので、コメントに分けます2014/08/11
tona
10
2歳のときから6歳のヒロインに恋していたヒーロー。やっと逆プロポーズされたのに、愚かな過ちで結婚生活は1年で終わりを告げる。19世紀末のインドまでヒロインを連れ戻しに行く話なので、当時のインドの状況がかなり詳しく書かれているのも面白かったです。若過ぎてお互い受け入れいれなかった2人が、歳月を経て再び惹かれ合う過程が暗いけどいい。特にエピローグが素敵でした。2017/07/23
momo
8
過去と現在をいったり来たりな文章が、ちょっと苦手なので読みにくかったけれど、この作品は好き。きっと何度も読み返すと思う。読み終わった後もじわじわと余韻に浸って、好きなシーンをまた読み返したり。とにかく良かった。2019/07/21
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