内容説明
越前大野藩の忍び目付服部源次右衛門が持ち帰った津軽藩伝説の秘薬“一粒金丹”が、新たな謀略の始めだった。それは次期大野藩主直明への福井藩の贈り物だった。が、江戸留守居役松田と勘兵衛は秘薬に疑惑を持った。贈り物の背景を探る内、やがて巨大な陰謀が浮上。大老酒井の巨大権力と結託した大藩からの圧力…。
著者等紹介
浅黄斑[アサギマダラ]
関西大学工学部を経て技術系社員として会社勤務の後『雨中の客』で推理小説新人賞を受賞し、文壇デビューを果たす。次いで『死んだ息子の定期券(他)』で第4回日本文芸大賞を受賞し確固たる地歩を築く。近年は時代小説に傾注し、徹底した資料収集と分析に基づき、大胆なアイデアと論理的構成で、物語を創り上げて読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
51
無茶の勘兵衛の活躍の物語です。剣の遣い手である落合勘兵衛20才は、越前大野藩五万石の御耳役である。家禄百石。そして江戸留守居役の松田与左衛門吉勝は、将来は勘兵衛を江戸留守居役にと考えているふしがある。そんな時に、過去に失態を犯し松田に助けられた伊賀者の忍び目付の服部源次右衛門は、福井松平家にある伊賀者の首魁である千賀地采女盛光から急遽、呼び出される。急ぎ福井に行くと、媚薬である陸奥の津軽藩の家伝薬「一粒金丹」を渡される。勘兵衛が調べるとこの丸薬には、阿片が含まれていることが分かる。2024/08/24
Abercrombie
4
忍び目付・服部源次右衛門が語る我が半生。意外にも彼の神秘さ超人さが薄れる庶民的で切ない話(それが狙いか?)。著者の蛇足的な蘊蓄話も癖になってきた。2018/10/07
さらちゃん
1
将軍になれるはずが、なれなかった恨みが、染み付いた家系の宿命か。 幕藩体制確立前の最後のあがきかも。 星3つ2018/04/08
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