内容説明
いよいよ裁判員制度が始まるというのに死刑の実態が秘密にされつづけていいのか!本書は、世界と日本の死刑の歴史と現状を踏まえたうえで、新しい資料を発掘し、よけいな論評を避けて、なるべく死刑囚のありのままを伝えるものである。
目次
序章 謎だらけの「死刑」の真実に迫る(いま、なぜ、死刑が注目されるのか;秘密主義の日本とオープンなアメリカとの落差 ほか)
第1章 見せしめの残酷刑から人道的処刑へ(死刑の歴史は「おぞましい残酷刑」の歴史;絞首刑以外の現行の処刑法は? ほか)
第2章 日本の「死刑」も時代とともに変貌(文明開化につれて斬首刑から絞首刑へ;死刑に該当する罪種もこんなに変わった ほか)
第3章 「最期の日」までの死刑囚の日々(厚い壁に閉ざされた死刑囚の獄中生活;死刑か末期かに揺れる被告たち ほか)
第4章 死刑制度の危険な落とし穴(ねつ造された証拠ゆえに死刑判決を受けた男;無実の男に死刑判決を下した「自白調書」の恐怖 ほか)
著者等紹介
近藤昭二[コンドウショウジ]
1941年、名古屋市生まれ。ディレクター、シナリオライター。主に事件・司法問題を取材、「NHKスペシャル」「ザ・スクープ」などの番組を制作。シナリオでは『ニワトリはハダシだ』が、ベルリン映画祭招待上影・東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞・2004年度年間代表シナリオに選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スパゴー
4
死刑の歴史や冤罪事件、死刑囚側からの視点の内容など、色々考えさせられる本でした。死刑制度については様々な意見があるとは思うけれど、『死刑反対』と言う事が出来るのは、自分が犯罪に巻き込まれていないから言える事なのかも…と思う。自分の大事な人が被害にあっていたら極刑を望んでしまうと思う。2015/06/13
すうさん
2
9年前に出版された本を古本屋さんで購入したせいかそれほど目新しい内容ではなかった。死刑を受ける人の行動や冤罪の件は書かれているが、被害者遺族はもちろん加害者の家族なども含めて、重大事件の影響の深さ広さを考察した本が出ている昨今では、この本では物足らない。せめて死刑そのものの是非についてもう少し突っ込んで考察がほしい。世界の潮流としての死刑廃止の是非に関しては法曹界、とくに法務大臣はもっと勉強してほしいと感じる。「命を考える」という意味では、その長たる法務大臣の失言スキャンダルばかりでは本当に情けない。2017/07/21
海
2
この本心臓に悪い。('A`)次のページを普通にめくったら幕末期の磔の死体写真とか怖すぎた。あと死刑囚が死刑執行を宣告されてからの音声の記録とか、旧日本兵が外国人を斬首する寸前の写真とか、ホント、私のような何の気なしに軽い気持ちで借りちゃったグロに耐性の無い人間にはキツかった。内容よりそればっかりが印象に残ってしまった。2013/03/29
Ayumi Katayama
1
最近、死刑に関する書籍を結構読んでいて、正直なところ目新しいものは特になかった。次の言葉が印象的。大道寺将司『学問があり弁が立つ被告は謝罪を口にできるから、情状の違いは、被告の社会的、経済的な地位の高低に対する差別から発している』 小原保『明日の死を前にひたすら打ちつづく 鼓動を指に聴きつつ眠る』 いずれも死刑囚の言葉である。特に二つ目は刑の執行前夜に詠まれた句だという。これもまた、自業自得でしかないのだろうか。2016/02/26
圓子
1
冤罪恐るべし。確かに議論すらされていないよなー。2010/08/16
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