内容説明
邪悪の潮流は越前大野から江戸へ。そして大和郡山藩に及んでいた。大野藩若君の不行跡は幕府老中の知るところとなったのである。苦悩する落合勘兵衛を打ちのめすかのように更に悲報が舞い込んだ。藩随一の手練れといわれている塩川重兵衛が、江戸潜伏中と思われていた山路亥之助に斬殺されたという…なぜ?どうしてなのか?大河教養小説の傑作第5弾。書き下ろし長編時代小説。
著者等紹介
浅黄斑[アサギマダラ]
関西大学工学部を経て技術系社員として会社勤務の後『雨中の客』で推理小説新人賞を受賞し、文壇デビューを果たす。次いで『死んだ息子の定期券(他)』で第4回日本文芸大賞を受賞し確固たる地歩を築く。近年は時代小説に傾注し、徹底した資料収集と分析に基づき、大胆なアイデアと論理的構成で、物語を創り上げて読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
53
無茶の勘兵衛の活躍の物語です。時は、延宝三年(1675)。落合勘兵衛20才は、越前大野藩五万石の江戸留守居役の松田与左衛門の配下に入り、悪い噂が絶えない若君の松平直明(なおあきら)の行状をなおすために奮闘します。松平直明は、江戸は華の都、吉原で流連(いつづけ 遊興にふけって家に帰るのを忘れる)する。藩主・松平直良は、忍び目付の服部源次右衛門に命じて、若君の側近を吉原で秘かに殺して、若君を恐怖の底に落とす。これにより、若君のおこないがなおる。2024/08/13
Abercrombie
2
○ 忍び目付強すぎ〜。話が大和郡山藩のお家騒動に戻ったかと思ったら、それが越前大野の若様ご乱行話につながることに。山路亥之助が両藩の陰謀に首を突っ込んでるからややこしくなるのだ。2018/10/05
さらちゃん
1
江戸の初期は戦国の気風がまだあるのだろう。 星3つ2018/04/08