内容説明
17歳の若さで家督を継いだ、美しき女伯爵エリザベス。気高い心と不屈の炎をうちに秘めた彼女であったが、破産寸前の伯爵家を守るため、後見人の叔父にむりやり3人の花婿候補を決められてしまう。そして、そのなかにイアン・ソーントンの名を見つけたとき、彼女の心は屈辱に打ちふるえた。2年前、心ない噂が広まったためにエリザベスは社交界を追放されたのだが、イアンはまさにその醜聞の元凶となった男。しかし領地ヘイヴンハーストを守り抜くためには、彼のもとを訪れる以外に、彼女の行く道はなかった…。
著者等紹介
マクノート,ジュディス[マクノート,ジュディス][McNaught,Judith]
83年に作家デビュー。それより以前は映像製作会社やラジオ局への勤務、会社経営など、ビジネスパーソンとしてのキャリアを長く積んでいた。英国の摂政時代に題材を取ったヒストリカルロマンスの草分け的存在として知られ、20年以上の作家活動を経た今では、ロマンス界で不動の評価を確立している。3度の結婚を経験し、今は多くの子と孫に恵まれている。テキサス州クリアレイク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
18
ヒストリカルロマンスの良いところは、女性の権利を享受できる現在のありがたさを確認できるところ。そして、過去の賢い女性たちが愚かで傲慢な男性をどうあしらってきたかをかいまみてほくそ笑むことができるところではないでしょうか。2015/10/12
星落秋風五丈原
10
爵位はあるが貧乏貴族の娘と貴族の庶子で才覚により金持ちになった男性のロマンス。出会いが悪かったために最初はつまずくが実はお互い惹かれあっていることは周囲にバレばれ。脇役にも愛情がある作品。2014/11/04
kokorika
4
困難な状況の中、家族同様の使用人たちと領地を守ろうと頑張るヒロイン。家族を突然失い、自分の心に大切な人を入れないヒーロー。そんな二人が出会い、惹かれあい、誤解により別れ再会。ヒーローはヒロインに酷い扱いをして傷つけたりもするが、自分のこころを抑えらず、ヒロインを気にかけしまうところが良い。友人の裏切りに涙するヒロインを慰めるシーン、ヒロインの作ったおいしくない朝食を食べるシーンなど、心が少し通い合う場面はとくによかった。 二人の心情がよく描かれたいるので、再読だが、、ヤキモキしながら下巻へ。2014/11/02
モルテン
4
王道ロマンス小説という印象。身分違いの放蕩者のせいで社交界を追放されたヒロインが、貧窮のため、無理やり他の男と結婚させられそうになったとき、再びその放蕩者と出会い……という、似たような設定・シチュエーションのお話は他にあるけれど、この作品は、とにかく丁寧に丁寧に登場人物の心情や動き、話の流れを描いている。 最初はあまり感情移入できなかったヒーローとヒロインだけど、この巻読み終えたころにはすっかり「どうにかしてこの2人は結ばれてほしい!」と強く思うように。2013/11/21
veri
4
なんだか大人の物語だなぁと感じています。今まで読んだロマンス小説の中でピカ一に心理描写が凄いと思います。今迄は心理描写ってどういうこと?と思っていましたが、この物語で理解できたような気がします。不安定に揺れ動く二人の心に、本当の余裕の無さを感じます。下巻、心して読みたいと思います。2013/11/13